| audio lesson 25 「システムのチューンアップ」 スピーカー |
| 自動車もそうですが、そのまま乗るよりも自分でチューンアップして標準製品よりも性能の向上したマシンに乗る方がアマチュアとしては愉快でしょう。これからしばらく、各パートのチューンアップのノーハウを紹介します。まず、手始めはスピーカーです。 コーン型、ドーム型スコーカーのホーン化の実験 ホーンシステムの魅力は「音の立ち上がり感」の良さにあります。ピアノ、ギターなどの立ち上がり、金管の鮮やかな音色は説得力があります。 効果はスコーカーが一番はっきり現れますから、現在のコーン型、ドーム型のスコーカーの前に30センチ程度の長さのラッパを付けてみるのです。材質は3ミリのベニヤ板、或いは固いボール紙などでよく、ピラミッド状の四角に、ボンドとガムテープで形を作ります。直線状(コニカルホーン)でよいのです。スピーカーと向き合う喉の部分はフランジ(鍔)を付けて、スコーカーのところにガムテープで固定すればよろしい。正面から見て奥の方にスコーカーの振動板が2/3程が見えれば十分です。 これは実験ですから、カットオフが何Hzとか、インピーダンスがどうだなどと、うるさいことを言ってはいけません。問題はホーンを付けることによって音色がどのように変化したか、そして、それは好ましい方向か、を感じ取れれば実験の意味はあったのです。そして、本気でホーン化すると決心したならば、きちんとホーンを設計して作るか、本格的なコンプレッションドライバーのスコーカーに交換するかを考えます。 大して費用のかかる実験ではありませんから、まずは効果を確かめることが大切です。 昔、12センチのコーン型スコーカーに、ボール紙のホーンのキット(昔はそんなものが売られていました)を使用してみたことがありますが、そのときの印象は ◆ 立ち上がり感が良くなる。 ◆ 能率も少し良くなる。 ◆ 基本的な音色感は継承している。 コーン型、ドーム型のスコーカーで聴いている人は、一度実験してみると面白いでしょう。 ホーンの手なづけ方 現在の高級システムにはホーン型スコーカー、ツイーターがよく使用されますが、それはそれでまた悩みのあるもので、万全とはいきません。 以下は主としてホーン型スコーカーの話です。(念頭に置いているのはJBL、アルテックのホーンです。国産のストレートホーン系にはここの話は適用できません) ■ 鋭い、槍で突かれるような音が出る。 ■ 弦楽器がキーキーとブリキの楽器のように聴こえる。 ■ 指向性が狭い。 どうもウエストコースト系のホーンは本来がシアター用に開発されたという素性からか、正面センターの音が「きつく」、それが上記の印象につながっているようです。確かに劇場のような大空間で聴くときは、台詞の通りも良く、金管など、朗々たる音色で鳴りますから、聴く方はしびれます。しかし、これを家庭のせいぜい12畳ていどの部屋に持ち込むと、いかにも「きつい」音で、到底クラシックを演奏できるスピーカーではありません。中音の「きつさ」が分解能を台無しにしていて、ロックはいざ知らず、ジャズも戴けません。一部の人々には「ジャズ向き」などと言われている4343系でも同じです。 この、ジャジャ馬のようなホーンを手なづけるには、ゴムボールと、缶コーヒーを使います。 ▲ マルチセルラー型のホーン(アルテック系) 軟式野球のゴムボールをセルの喉の所に押し込みます。5分割なら中央の1個ないし3個に、4分割なら中央の2個です。注意は音道を密閉してはいけないことで、音の通り道は残しておきます。 ▲ JBL4343系の音響レンズの場合は、中央のくびれて凹型になっているところに、中身の入っている缶コーヒーの缶を縦にガムテープで張り付けます。 この二つの実験の意味は「ホーン正面のエネルギーの集中を拡散させる」ということです。それによって指向性を広くしたら定位が向上するのでは、というのが最初の意図だったのですが、なんと、中音から高音にかけての分解能が向上し、しなやかな音になってクラシックの弦楽器が聴けるようになったのです。 拡散の代わりに吸音材ということも実験しましたが、ゴムボール、缶コーヒーの缶のように、吸音することなく、音を散らす方が効果的でした。 このような実験で効果が確かめられたら、まさかずっと缶コーヒーというわけにもいきませんから、きちんと似たようなものを、硬質ゴムのように共振しない材料で作ります。水道用の塩ビのパイプを切って、中にゴム粘土を詰めるという手もあります。(小生の会社のスコーカーは依然としてゴムボールですが) 次回はウーハーです。 |