| audio lesson 29 「システムのチューンアップ」 ピンコード 10/1 |
| ピンコードの話は何度か出てきたので重複する部分があるかも知れません。 まず、ピンコードを換えてみてどの位の音の変化があるかということです。良いものとそうでないものの差は、アンプのそれより大きいのです。これは体験してみて多くの人が驚く所です。わずか数メートルの電線で、これだけの変化が生じたとすると、今までアンプやプレーヤーを追求してきたのは無駄だったのかということにもなりかねませんが、まあ、そんなことはなく、各パートが各々最善を尽くしてようやく良い音に近づくのですから、いつでも努力は必要です。 ピンコードのお遊び/1 (アナログ信号用) 暇なときのお遊びとして、格好のテーマです。用意するものは @ ピンプラグ 4個(L/Rの両端) A 電線 約3メートル これで最初にCDプレーヤーの出力用ピンコードを作ります。一般にピンコードは同軸型にして、外側をシールド兼リターン側に使用し、中の1本を信号のホット側に使いますが、このシールドというものは必須条件ではありません。通常CDプレーヤーの出力インピーダンスは150Ω程度と低いこと、扱う電圧も2Vはありますから、シールドしなくとも実用上問題になるほどのノイズを拾うことはないのです。 構造は単に線材を半分に切って、片方をホット側に、片方をアース側にして1.5メートルのピンコードを作るだけです。 さて、ここでのお遊びというのは、線材の材質によって、それと断面積によって、様々に音色が変化するのです。比較的良かったのは ◆ PCOCCのアズキャスト線 アズキャスト線というのは、線を作るときに、ダイスという穴を通すこと無く、すなわち、銅にストレスを加えることなく製造したものです。古河電工の製品です。 ◆ LCOFC 日立電線が開発した製品です。現在オーディオ用として広く使用されています。 ◆ 純銀 高価なのが問題ですが、独特の明るさと切れ味があります。 そのほか、脂入りハンダを線材として使ってみたり、実に様々な材料で試作してみました。作らなかったのは金、白金、水銀程度です。 音質の評価ポイントは @ 音の鮮度と分解能 A 嫌みな癖の有無 の2点です。 線材の個性はいろいろですが、最終的にはシステムとの相性と、オーナーの好みです。 以上の話は導体の材質の話でしたが、絶縁のために使用するビニール被覆も音質に影響します。エンパイアチューブ、ビニールチューブ、テフロンチューブなど、みんな違う音がします。概して言えることは、ヒニールなどの高分子化合物は、テフロンも含めて、音が鈍くなるということです。比較的影響の少ないのは綿、紙などでした。 なお、ピンコードには明らかに方向性があります。信号送出側と受け取り側を逆にすると音が変わります。判別は聴感で決めるしかありません。 なお、芯線の太さと音質の間には、おおよその傾向として @ 芯線が太く、抵抗値が低いもの 〓 重厚で力強い感じの音 A 芯線が細く、低キャパシタンスのタイプ 〓 分解能が高く、繊細な感じ。 という関係があります。 ピンコードのお遊び/2 (デジタルケーブル) CDプレーヤーとDAコンバーターを接続するデジタル用のピンコードも音が変わります。このケーブルが音に与える影響は、信じられないかも知れませんが、オーディオ信号用よりずっと大きいのです。 デジタルコードには光ケーブルも使用されますが、試作は大変ですし、ここでは2線式だけを考えます。(光ケーブルも材質、すなわち石英かプラスチックかで音が変わります) ここもシールドの必要はなく、ホット側とアース側の2本を同じ線材で、アナログ信号用ピンコードと同じように作ります。勿論共用できるのですが、デジタルの方が一層長さによる劣化が大きいので、最低の長さ、大抵は50センチ程度、に作ります。 デジタルピンコードでは、音質については全く予測がつきません。まさに「聴いて見なければ分からない」のです。それだけに、砂金探しのような面白さがあります。そして、このことを知っているベテラン連中は、大抵自作の秘伝のケーブルを使っています。 ピンコードのお遊び/3 (スパイラル構造型) これは日本オーディオ社が開発したオーディオ信号伝送用のケーブルで、パテントになっているものです。簡単に言うと「アース側に6ミリ幅、30ミクロン厚さの銅箔を使用し、ゆるやかなスパイラル状に巻き付ける」というだけの構造です。 (このピンコードの作り方は前回(NO.28)詳しく紹介しました) この構造が何故音の鮮度の低下を防ぐのに有効なのか、理由はよく分かりませんが、効果だけは抜群です。 この構造でスピーカーケーブルも作れますが、その場合は8ミリ幅で厚さ100ミクロンのものを使用します。これも大きな効果があります。(この8ミリ幅の銅箔は特注ですので市販はされていません。御希望の方は日本オーディオへFAXで。03−5340−3023) ただ、このスパイラル型はデジタル用としてはあまり効果はありません。 どんなピンコードが自分のシステムに合うかは実験してみるのが一番です。そのときの注意は、雑誌の評などに振り回されず、自分の耳で評価することです。 |