HiFiオーディオ教室

audio lesson 32 「補習」 5 アンプは何ワット必要か/2 11/15
 前回はアンプの出力はどの位必要か、という計算の、手順だけを簡単に説明しました。今回は具体的なリスニングルームの例をあげて、必要なアンプの出力を計算してみましょう。

[リスニングルームの規模]
◆ リスニングルームの大きさ:2.8m×6.7m×4.2m(17畳)
◆ 残響時間:0.4秒
◆ 聴く音楽:クラシック
◆ 目標とする最大音圧レベル:109dB
◆ スピーカーの出力音圧レベル:92dB/W/m
◆ スピーカー・リスナー間の距離:4m
◆ スピーカーの指向係数:Q=2
これらをベラネックの計算式に入れる前に、下拵えの計算を済ませます。
▼空気容積Vは:78.8立方メートル
▼表面積Sは:117.9平方メートル
▼V/Sは:0.668
このV/Sの数値と残響時間0.4秒から
▼平均吸音率は:α=0.23
(残響時間から平均吸音率を求めるには便利な数表「オーディオデータ便利帳」があって簡単に求められるようになっています)
▼表面積と平均吸音率から室定数を求めると:R=35.2

 これで必要な音響パワーレベルを求めることができます。その式は前回にも書いたものですが




この式を利用して音響パワーレベルPWLを求めますと
 PWL=118dB
となります。PWLは120dBで音響パワー1Wですから、必要音響パワーは0.63Wということになります。
 すなわち、109dBの最大音圧レベルを再生するには0.63Wの音響パワーがあればよいことになります。

 次の計算は、ではどんなスピーカーを使うか、という問題です。
 スピーカーのカタログには、スペックの所に必ず「出力音圧レベル」という項目があって、○○dB/W/mと記載されています。この数値が92dBとあると、そのスピーカーの電気/音響変換能率は1%ということになります。89dBならば0.5%です。
 能率は
能率=出力エネルギー/入力エネルギー
ですから、スピーカーから得られる音響パワーは、電気入力に能率を掛ければ求められます。ここでは必要音響パワーがでていますから、逆に必要電気パワーを求めることになりますが
 必要電気パワー=必要音響パワー/能率
として出します。出力音圧レベルが仮に92dBとすると1%ですから
 必要電気パワー=0.63W/0.01=63W
となります。
 すなわち、L、R合計のアンプ出力が63Wあれば、このリスニングルームでは最大109dBの音圧レベルをリスナー席に供給してくれることになります。
 当然のことですが、スピーカーの出力音圧レベルが86dBなどと低能率になると、必要アンプ出力は一挙に4倍の252Wになってしまいます。

 さて、ここまで読まれた方は、目標最大音圧レベル109dBはどこからきた数値かと思うでしょう。この話は次回にいたします。

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