HiFiオーディオ教室

audio lesson 36  「測定」 その2     1/15
  前回は電気測定の必要性と、どんな測定器が必要かという話でした。
● オーディオ用発振器
● オシロスコープ
● 電子電圧計
 それにアンプの出力を受け取るダミー抵抗が欲しいということでした。
 今回は、この3種類の測定器でどんな項目が測定できるのか、それはどんな意味をもっているか、という話をします。
◆ 出力
 これはアンプ本来の機能、すなわち、入力された信号が正しく増幅されて、予定の電気出力が得られているか、というテストです。100Wを予定しているものならば、スピーカー端子に接続した8Ωのダミー抵抗の両端に28.3Vの電圧が、入力と同じ波形で出ていなければいけません。
◆ 周波数特性(f 特)
 オーディオでは20Hz−20kHz間の信号を過不足なく、すなわちフラットに扱う必要があります。大抵はローエンド、ハイエンドでは少し増幅度が低下するものですが、それが許容値、昔ならば−3dB、現在だと−1dB以下程度に納まっているかというテストです。
◆ 信号対雑音比(SN比)
 信号を増幅するときに、アンプの内部でどうしても雑音が発生します。その程度はどのくらいかというテストですが、昔だと60dB−80dB、現在のCDだと100dB以上が望まれます。実用的には70dBもあれば十分ですが。
 SN比=20log(出力信号電圧/雑音電圧)〔dB〕
として計算します。
◆ 波形歪み(HD/ハーモニック ディストーション)
 勿論、正確には「歪み率計」が必要ですが、2チャンネルのオシロスコープがあれば、実用上問題のない程度の波形歪みが観測できます。 
 Aチャンネルにアンプの入力の信号の波形を出します。Bチャンネルには出力の波形を出します。その二つの波形を重ね合わせて、ぴったりと重なるようでしたら、歪み率は多分1%以下です。出力が大きくなるにつれて合わなくなりますが、入力の正弦波が、出力で明らかに変形している、と見られるようでしたら、3%は越しています。この辺が実用の限界で、そのアンプの最大出力でその程度ならひとまず安心です。
歪み率=(高調波成分電圧/基本波電圧)×100〔%〕

 以上がアンプなどの電気系のコンポーネントの基本的な項目の測定で、各項目の数値がひどくかけ離れていなければ、システムは正常に動作していると評価して差し支えありません。

 これ以外に測定したい項目としては「ダンピングファクター」(アンプの内部インピーダンスでスピーカーのインピーダンスを除した値)などがありますが、これは少し専門的になります。ここまでの項目で80%は消化したと言ってよいでしょう。

          audio 目次へ