HiFiオーディオ教室

audio lesson 38  「測定テーターと聴感」      2/15
 ここまで、測定は重要です、と繰り返して説明し、電気の測定、音響の測定の基本の項目について説明してきました。今回はテーターと聴感がどのように関連するかを説明します。その前にまず、オーディオに求められる基本の項目は何かということを確認しておきます。

1. 十分な音量
 原音再生においては、もとの音量と同じことが要求されます。そうでないと直ぐに偽物だと見破られてしまいます。必要なだけの音量を余裕をもって出せなければいけません。
 この能力はアンプならば出力のワット数であり、スピーカーならば最大出力音圧レベルです。それらは言うまでもありませんが、歪み率が許容範囲内であることが条件です。この能力が不足して十分な音量が得られないときは耳の特性からしても低音、高音のバランスの失われた音にしかならないのです。

2. 原音との相似性
 各種の歪みが大きすぎてはいけない、ということです。通常、入力信号と出力信号が異なった場合、歪みが発生したと言います。一番良く使われるのは波形歪みですが、周波数特性が変わるのは周波数歪み、位相特性が変わると位相歪みと言います。これらの歪みが大きいということは入力信号との相似性が欠けてきたということになります。これらの歪みは少ない方がよいことははっきりしています。

3. 不要音の排除
 典型的なのはアンプから発生するノイズです。これも少ない方が良いことははっきりしています。

 さて、以上の各項目を数値に表し、比較することが随分以前から行われてきました。そして、おおよその処は測定データーを見ればシステムの能力の程度は分かるようになってきました。当然どの程度の音がするかはデーターと試聴の相関関係から予測できます。仮にリスナー席での音圧周波数特性を眺めてみて、30Hz-20kHzの間が±3dBの幅に入っていて、最大出力の波形歪みもノイズも許容できる程度だとすると、このシステムの音は90点は獲得できます。クラシックにもジャズ、ポップス、ボーカルにもまず不満は出ないでしょう。現在の測定器の能力はその程度の能力はあります。
 では、それでシステムの性能を完全に評価できて、試聴抜きで順位をつけたり、注文できるかとなると、さすがにそれは無理です。その理由は「データーに現れない音色の差」を最後には耳で確かめなければならないためです。もっとも典型的なものはCDフレーヤーで、これだけの数値が出たから安心とはいかず、試聴で音色の完成度を確認しなければなりません。

 では測定は無駄なことで、試聴だけで選択してもよいかという疑念が起こりますが、それも困難なのです。例えば、スピーカーの性能において、周波数特性が20Hzから20kHzまで、姿良く希望する幅の中に納まっているか、などということは、音楽を聴いただけでは判定は困難です。更には、リスナー席での姿は、などということも考えな゛けばいけません。

 このように考えてくると、測定だけでは最後の詰めが甘くなり、ヒアリングだけではどんな落とし穴に落ちるか想定できないのです。したがって、現在取りうる最善の手段は、
● 測定器を利用できる部分はデーターで確認する。
● 測定器の能力の及ばない領域では試聴によって確認する。
という2本立ての態勢を取るしかありません。

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