HiFiオーディオ教室

 AUDIO LESSON 49   「スピーカーの定格」  8/1
 アンプの定格は比較的分かりやすいのですが、スピーカーはそうでもなく、分かっているつもりでも、もう一度きちんと整理しておくことは有意義なことです。以下、あるスピーカーメーカーのカタログに記載されている定格(仕様と呼ばれることもある)を読んで見ましょう。項目の言葉の定義は、取り敢えずEIAJ(日本電子機械工業会規格)を使用します。

 サンプルとしてオンキョー社の「D−77MRX」(新製品で77FRXの後継機)のカタログに記載されている定格を取り上げてみます。
 ここには「主要定格」として次のように書いてあります。
1.形式 3ウエイバスレフ型
2.定格インピーダンス 6Ω
3.最大入力 150W
4.定格感度レベル 90dB/W/m
5.定格周波数範囲 30Hz〜60kHz
6.クロスオーバー周波数 500Hz、3kHz
7.キャビネット内容積 56.0l
8.使用スピーカー ウーハー30cm
            スコーカー12cm
            ツイーター4cm
9.外形寸法 360W/660H/380D
10.質量 25.0kg

 これらの中、内容をきちんと把握しておく必要のあるのは、2/3/4/5の4項目です。

[定格インピーダンス]
 メーカーが指定したインピーダンスですが、どの周波数においてもその値の80%を下回ってはいけないことになっています。本機は6Ωですから周波数にかかわらず4.8Ω以上でなければいけないことになります。時々8Ωと表示してあって4Ωのものがあったりしますが、8Ωのつもりで電圧を与えると2倍の電力が入っている(当然感度が高いと誤解される)ことがあります。

[最大入力]
 低音と高音を低下させた「模擬プログラム信号」を使って、1秒オン/2秒オフを10回繰り返して、性能に変化を生じない(破損しない)電力です。模擬プログラム信号というのはピンクのイズを規定のフイルターで帯域制限(低音と高音を減衰)したもので、「SN−1」「SN−2」の2種類があります。

「定格感度レベル」
 これは以前のJISなどでは「出力音圧レベル」と呼ばれていた項目で「1Wの入力/1mの距離」と言う条件で測定したら、何dBの音圧レベルが得られるかというものです。
 問題は測定に使用する信号の中身ですが、EIAJの規格では「定格周波数範囲の帯域を有するピンクノイズ」となっています。
 そこで今度は「定格周波数範囲」の定義ですが、これは「メーカーが指定する再生可能な周波数範囲」というものです。このスピーカーの場合は定格の表の所の次の項目で「30Hz〜60kHz」と指定してあるのがそれです。この帯域のピンクノイズを1Wになるようにしてスピーカーに入力します。そして1m前方で測定した音圧レベルが「定格感度レベル」という項目です。
 この項目はスピーカーシステムにとっては「定格周波数範囲」と並
んで重要な項目で、スピーカーの概要を明確にするキーワードみた
いなものです。

「定格周波数範囲」
 これはメーカーが発表する「再生可能な周波数範囲」で本機の場合
は「30Hz〜60kHz」となっています。では何デシベル減衰するまでを可能範囲とするかはメーカーが独自に決めます。このスピーカーの場合はメーカーは−15dBまでを再生可能な範囲としています。

 以上でカタログに記載されていた主な項目の定格がはっきりしてきました。基本的には「定格」という用語はメーカーが指定する数値と解釈して間違いありません。それではメーカーの指定によらない、共通の表示方法がないのか、と言うと勿論あって、このカタログにはあませんが次のような表示方法、用語があります。一つだけ参考に挙げておきます。

「実効周波数範囲」
 「低域周波数限界」「高域周波数限界」によって定まる周波数範囲というものです。
 ここの限界という意味は、1Wに相当する正弦波電圧を加えて、定格感度レベルより10dB低下する周波数です。

 以上のような定格の定義を正確に知りたい時は、EIAJならば「RC−8124/スピーカシステム」を、JISならば「C−5532/音響システム用スピーカ」を読んで下さい。
        

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