しばらく、部品の話をします。オーディオ機器は工業製品ですから
各種の部品を使ってアンプなりスピーカーを作ります。ここでは主としてアンプ製作に使われる部品の性質を説明することとします。
部品にはトランジスターや真空管と言った「能動素子」と、抵抗、コンデンサーなどの「受動素子」がありますが、ここは受動素子の話です。
抵抗(固定抵抗)
コンデンサーと共に一番多く使用される部品です。
『抵抗の種類』
◆ カーボン抵抗
カーボン抵抗には「皮膜抵抗」と「ソリッド抵抗」がありますが、殆どは皮膜抵抗が使用されます。ソリッド抵抗は米国製が僅かに市場に出回っている程度です。
「カーボン被膜抵抗」の構造は円筒形のセラミックの上に炭素皮膜を電気分解で密着させ、それにスパイラル状の切り込みを入れて抵抗値を調整します。
用途は万能ですが温度偏差が小さくないので精密級のもの(誤差1%級以上)は作りにくく、一般電子機器用です。
大きさは1/2Wから1/4Wあたりまでが多く使用されます。
「ソリッド抵抗」は国産のものには殆どありません。有名なのは「アレン&ブラドレー」という米国製のもので、自作アンプフアンの間では人気のある抵抗です。構造は抵抗体全体がカーボンの固まりで出来ているものです。
大きさは2Wないし1/2Wで誤差は5%まで。
◆ 金属皮膜抵抗
通称「金皮」と呼ばれているもので、構造はカーボン皮膜型と同じです。カーボンの代わりにタンタル、ニッケル、クロームなどの金属を真空蒸着したもので、温度係数も小さく、誤差2%、1%或いはもっと高精度のものが作られます。ただし、オーディオとしては1%辺りまでが使用範囲です。1Wから1/8Wあたりが使用されます。この金皮抵抗はメタルグレーズ抵抗と呼ばれることもあります。
◆ 酸化金属皮膜
カーボンの代わりに錫とアンチモンの酸化物溶液を塗ったものですが、耐熱性が良いので小型大容量のものが作れます。通常は1W以上で誤差5%ものがよく使われます。
◆ 巻き線抵抗
高抵抗の金属線を巻いた抵抗で、大容量の抵抗が容易に作れます。
抵抗体としてはニッケル/クローム、鉄/クロームなど。アッテネーター用の精密なものはマンガニンなどの温度係数の小さな金属が使用されます。
ホーロー抵抗は外側をホーローで固めたもの、セメント抵抗はセラ
ミックの容器にいれたもので、いずれも中身は巻き線抵抗ですが、高温に耐えられるようになっているものです。
線材を巻くと当然ながらインダクタンスが発生するので、高い周波数で使用するときは「無誘導巻」という巻き方をします。これが「無誘導抵抗」で、アンプのテストに使用する負荷抵抗(ダミーロード)にはこの無誘導型を使用します。よく使用されるダミーロードは無誘導型ホーロー抵抗8Ω/100Wのものです。
◆ 金属箔抵抗
セラミックの板に金属の抵抗体を貼り付け、エッチングで整形したもので、高精度、低温度係数が特長です。これは計測用に開発されたものですが、音質が良いという評価もあって、ごく高級なアンプに使用されることがあります。ただし、すべて受注生産なので大変高価なものです。容量は1/3W型がよく使用されますが形は小さなキャラメルのようになっています。
次回は可変抵抗器(ボリューム)の話です。
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