ここまで、固定抵抗と可変抵抗の話をしてきました。次は抵抗についで沢山使用されるコンデンサーの話です。
大抵の方はコンデンサーを交換すると音色が変わるということを耳にしたり、実際に経験されたことと思います。
【コンデンサーの種類】
コンデンサーの極板と極板の間に置く絶縁物を誘電体と言います。この誘電体にはコンデンサーの容量を増加させる性質があって、その程度を「誘電率」という数値で示します。例えば、セラミックなどは数千という値になりますから、小型で大容量のものが作れます。ただし、この誘電体にはまた、様々な性質があって、オーディオでは主として「音質は良いか」という性能を重視します。
1.フイルムコンデンサー
マイラー、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどの高分子化合物を薄いフイルムにして使用するもので、大量に使用されています。絶縁度が良いので漏洩電流は存在しないと考えてよく、特にポリプロピレンはオーディオ用としてよく使われています。マイラーは安価ですが、音質的には凡庸という評価があります。
このフイルムコンデンサーはどちらをプラスに使用しても構いませんが、使用電圧の限界はあります。
2.電解コンデンサー(アルミ)
極板にアルミを使用し、電解液(正体はホウ酸アンモン溶液)と称する導電性の液をしみ込ませたペーパーを間に置いて電圧をかけると、プラス側の電極の表面に非常に絶縁度の高い酸化被膜が出来ます。この被膜はごく薄いので電解液(ここはマイナスの電極とみなされる)とプラス側の電極の間はコンデンサーになります。コンデンサーの容量は電極間の距離に反比例しますから、薄い酸化被膜は大きな容量になるのです。
この電解コンデンサー(ケミカルコンデンサー/通称ケミコン)は小型大容量なので電子機器に広く使用されています。
使用上の注意は
@ 端子には+、−と電圧をかける極性が決まっていて、逆にかけると忽ち大きな漏洩電流が流れて破損(パンク=ショート)します。
A 酸化皮膜は絶縁度が高いのですが、フイルムのような訳にはいきません。極めて僅かですが電流が流れますから、それが許されない場合は使用してはいけません。
B 電解コンデンサーは直流回路に使用して、そこに交流も流す使い方をしますが、交流だけを通す場所には、「無極性(バイポーラ)ケミコン」を使用します。
C 周囲温度も要注意です。最近は100度程度には耐えられるものも出来ていますが、一般品は85度程度です。高温になる半導体や真空管の近くには配置しないようにします。
なお、メーカーによってはオーディオ用として音質を吟味したケミコンを発売しています。オーディオ用に効果があります。
3.電解コンデンサー(タンタル)
極板にアルミではなくタンタルという金属を使用したもので、一層小型で大容量に作れます。ただし、高電圧用のものは出来ないので用途は限られています。このコンデンサーは漏洩電流がアルミよりずっと少ないのですが、ゼロではありません。逆方向の電圧に弱いのも欠点です。
4.セラミックコンデンサー
これはチタン酸バリュームなどの誘電率の非常に大きな物質を焼き固めたもので、最も小型大容量です。漏洩電流はなく、極性もありません。ただ、誘電率が加えた電圧によって変化するので大きな歪み率を示しますから、オーディオ回路では使用しません。主として高周波で使います。
【使用上の注意】
1.使用条件を間違えないこと
抵抗器には電力容量という条件がありますが、コンデンサーは「電圧」「極性」「漏洩電流」に絶えず注意して使います。コンデンサーがパンク(ショート)すると大きな電流が流れて半導体、時には真空管などに二次被害を及ぼします。
2.オーディオ用として音質に注意
オーディオ用で信号が直接通過する場所には音質の評価の高いものを使用します。フイルムならば高価でもポリプロピレンを考えます。
3.高周波になると特性が変化する。
コンデンサーは基本的には周波数が高くなるとどんどんインピーダンスが低くなるものですが、ケミコンなどはある周波数以上では下がらなくなります。それを補うために、並列に小容量のフイルムコンデンサーを付けて使用します。
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