HiFiオーディオ教室

 AUDIO LESSON 61   「スピーカーの話/2」  2/1
 もう少しスピーカーの話を続けます。今度は「評価の落とし穴」という話です。
 オーディオシステムではここが最後の部分で、ここを出た信号は音波としてリスニングルームに放出されます。そして、耳までの間に「音場(音のある場所)」があり、そこの影響力も含めて評価されますが、このことはスピーカーにとってはいささか心外なことかも知れません。

【物理特性として】

 一般的にはスピーカーとリスナー席の距離は2メートルないし3メートル程度です。そして、スピーカーは目の前にありますから、その途中で音波が変化するなどとは考えにくいものです。
 しかし、実際には定在波の影響でびっくりするほどの変化を受けます。
 第一は音圧周波数特性の変化ですが、おおよそは500ヘルツ以下程度の低音域で大きな凹凸が出来ます。これはスピーカーの責任ではありませんから、スピーカーにとってはとんだ災難ですが、世間の評価はスピーカーに責任を負わせ勝ちです。それが原因で低音が出ない、などと言われるとメーカーは困ってしまいます。 

 もう一つはフラッターエコーです。このエコーの間隔が短いと、オッシロスコープでははっきり見えるのですが、耳ではエコーとして分離して感じられず、単に音の輪郭がぼけているように、或いは歪んだように聴こえるのです。

【聴覚的には】

 リスニングルームの聴覚的な評価として最初に挙げられるのは残響時間の長さとその周波数特性です。一般の家庭の絨毯を敷き詰めた居間などは高音の吸収が大きいですから、残響時間の周波数特性はハイ下がりになります。一方、居間の床がフローリング、壁が漆喰仕上げのような居間では高音の吸収が少なく、ハイ下がりにはなりません。このことはリスナー席における音圧の周波数特性にそのまま現れ、聴感にそのまま影響します。もし、スコーカー、ツイーターにレベルコントロールの付いていないスピーカーだと困ってしまうことになります。
 このような、レベル調整不可というスピーカーでは、やむを得ませんからプリアンプのトーンコントロールで音域のバランスを調整して、所定の周波数特性の形に調えた上でなければ、バランスがどうの、などという評価はしてはいけないのです。

 更に問題を複雑にしているのが、アンプ、ケーブルなどの周辺機器の影響力です。それらをそのスピーカーに最適なように選択して、始めてスピーカーの評価がはっきり見えてくるものです。
        

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