HiFiオーディオ教室

 AUDIO LESSON 80   「マイクの話」  11/15
 今回から、これまで説明する機会のなかったマイクについて説明します。
 マイクは動作原理から大きく分けて「圧力型」と「速度型」の二つに分類されますが、圧力型が圧倒的に多く使用されています。

「圧力型マイクロホン」
 音波は空気の圧力の変化ですから、密閉した容器の一部を振動板にしておくと、空気の圧力の変化を感じ取って、振動板が震えて、それを利用して音を電気信号として取り出すことができます。
 この圧力型のマイクは圧力だけを拾う仕組みですから、基本的に無指向性の特性になります。

1.ダイナミック型マイクロホン(可動線輪型マイクロホン)
 ダイナミックスピーカーのように、磁界の中に置かれたボイスコイルを振動板が動かす方式が「ダイナミックマイクロホン」です。
 このマイクの特徴は構造が簡単で電源も不要であり、丈夫で故障も少ないという、大変使いやすい性質を持っています。
 また、振動板が動ける範囲では大きな音に耐えられるので、楽器に近接して録音するときも比較的安心です。
 短所は、振動板にボイスコイルが付いているためにある程度以上軽くすることが出来ず、高音域の周波数特性の伸びはコンデンサー型には叶いません。
 音色の特長は一言で言うと、力強さにあります。

2.コンデンサーマイクロホン
 コンデンサーマイクは、薄い金属製の振動板と、それに向かい合わせに設置した固定電極の間でコンデンサーを形成させた構造です。この時の静電容量は数ピコファラッドから十数ピコファラッドです。そうした構造にしておいて、高抵抗(数十MΩ)を通して直流電圧(バイアス電圧)を与えるとそのコンデンサーに電荷(電子)が溜まります。
 振動板が振動するとその度に静電容量が変化しますが、それにつれて溜まっていた電荷が排出されたり、逆に注入されたりして電荷の量が変わる、すなわち、振動板の動きと同じ電流が発生します。この電流は微小ですが高抵抗の両端にはそれなりの信号電圧を発生します。
 この信号電圧を真空管、またはFETのアンプで低インピーダンス化して外部に送り出します。
 このような仕組みで音波を電気信号に変換しますが、振動板を軽く出来るので高音域の特性が良いのが特長です。
 欠点はバイアス電圧と、インピーダンス変換アンプ用の電源が必要なことで、構造も複雑になります。また、アンプの扱える信号の大きさに制限されて、大音量の時に歪みを発生する恐れがあり、使用するときには注意が要ります。
 音色の特長は分解能に優れ、透明感があることです。

3.エレクトレットコンデンサーマイクロホン
 ある種の高分子化合物(ポリカーボネートなど)は、外部から高い電界を加えると、表面に誘導された電荷が、半永久的に保持される(エレクトレット現象)という性質があります。それを利用して振動板を作るとバイアス電圧が不要となり、小さなFET1個を内蔵させ、外部からその動作電源(単3電池1個程度)を与えると、数千時間も動作するマイクになります。
 小型機器の内蔵マイクの多くはこのタイプで、世界中では膨大な量が使用されています。
 音色の特長はコンデンサー型と同じです。

 このコンデンサー型の特長である、高音域の伸びの良さ(平坦さ)から、音波の測定用にも広く使用されています。

 次回は速度型マイクの話です。 
 
        

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