HiFiオーディオ教室

 AUDIO LESSON 81   「マイクの話-2」  12/1
 今回は速度型マイクの話です。前回の圧力型は空気の圧力の変動を振動板で捉えて、その動きを電気信号にするものでしたが、速度型というのは、空気の分子の動きを振動板で感知し、電気信号にするものです。

「速度型マイクロホン」

 一般に「ベロシティ(速度)型」、或いは「リボン型」と呼ばれていて、構造は図1のようらなっています。

図1



 強力な磁界の中にリボンと称するジュラルミンの薄い箔が吊り下げられています。
 このリボンは幅2ミリないし5ミリ程度、長さ数センチ程度で、厚さは数ミクロンというものです。軽くできていて、アコーデオンのような「ひだ」がつけられ、少し伸び縮み出来るようになっています。これが振動板ですが、密閉されていないので、音波は振動板の後ろに回り込むことが出来るようになっています。
 今、音波がリボンの正面(幅広く見える方)から到来すると圧力がリボンの後ろに来るまで少し時間がかかり、振動板の前後で圧力差が生じて空気の分子が動こうとします。リボンは軽いので一緒に動きますが、その動きは磁界と直角の方向なのでリボンの中に起電力が発生します。そして、このリボンの動きは空気の分子の速度に比例した起電力を生み出すので速度型と呼ぶのです。この電圧をトランスでアップして外に送り出します。

 このマイクの特徴は、リボンの横から来た音波はリボンを前後に動かさないので感度が無いことです。したがって、指向性は8の字型の双指向性になります。
 このとき、前後の音波の極性が逆になる、すなわち、前方から正圧力が来たときの起電力の方向と、後ろから負圧力が来たときの方向が同じになる、ということがありますが、この特徴を利用し、圧力型の無指向性マイクと組み合わせて、単一指向性マイクを作ることが出来ます。

 このリボン型マイクは周波数特性が良いこと、双指向性で対談の録音などに好都合という特長があって、コンデンサー型が普及するまでは全盛を極めました。
 しかし、磁石が大きくて重いことや、風に吹かれるとリボンが伸びて特性が劣化するなどの弱点があって、国内ではもう製造されなくなってしまいました。
 では、もう全く過去のものかというとそうでもなく、まだ使っている録音現場もありますし、単一指向性の構造の原理にもなっている理論なので、理解しておくことは大切なことです。
        

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