| column 30 「予想」 10/1 |
| 「七の月、天から恐怖の大王が降りてくる」というまがまがしい予言は幸いにも外れたようであるが、まんまとかついでやったと、本人はあの世で舌を出しているかも知れない。 予想は外れると恥ずかしいものである。しかし、業界の先行きについて、評論家、或いは研究家、コンサルタントなどはそこそこの予想をすることが求められる。 ● DVDが発売されてから1年になるが、どうも不景気のあおりを受けてか、牽引車になる気配はまだ見えない。小生の立てた卦は、「録画機能が付いて、ブランクディスクの価格が現在のビデオテープ並みになるまでは普及はしない」というものであった。現在はまだ録画機能がなく、再生だけであるから、立ち上がりかねているのは当然である。 しかし、今日の電波新聞によると、各社とも録画機能付きを開発したらしく来春には市場に出るようだ。もしそれが発売になるとビデオデッキの買い換え需要はそちらに流れるだろうから、価格の問題があるにしても普及が視野には入ってくる。(DVD/デジタル・ビデオ・ディスク) ● MDは、現在のホームオーディオの大きな牽引力になっている。カセットテープの悩み、すなわち、音質の不満、ランダムアクセスの遅いこと、ストックスペースのかさばること等々を一挙に解決して、これは大きな改革であった。ソニーの功績を大いに讃えなければならない。普及した要因は、デジタルの小型ディスク録音で従来のカセットの不満を見事に解決したことにある。 ただ、少しく考えさせられるのは、MDソフトの販売が予想以上に少なく、殆どがCDからのコピーを使用していることである。レコード会社がデジタルプリントに神経をとがらせるのも理解できる。 (DCCはだめだがMDは普及すると予想した小生の卦はぴたりと当たった! と、これは自画自賛) ● DVDオーディオ、SACD(スーパーオーディオCD)も、アドバルーン的発売があったが、インパクトは強くない。原因は現在のCDからどれだけ改善されたかという点での説得力が今一つという事ではなかろうか。 SPからLPへの転換、ステレオ化、LPからCDへの変革は根幹に基本原理の改革があり、それに相応しいメリットが認められて、あっという間に普及した。 それに比べて、DVDオーディオ、SACD両者のハイビット−ハイサンプリング化は「程度」の向上であり、現行のCDに磨きを掛けたということに過ぎない。そして、その音質の改善度は、どうもプレーヤー、ソフトの新規の購入を促すほどのものとは認められない。 勿論、ハイエンドのフアンはプレーヤーを購入し、何枚かのソフトで楽しむとしても、世の中の大勢を動かす程の力を果たして持ち得るか、ということである。今のところ、残念ながら小生の卦は凶である。 ● MPEG3(ムービング・ピクチャーズ・エキスパート・グループのオーディオ・レイヤー3)はインターネットを通じて、音楽を配信できる規格だという。当然デジタル信号なので、品質は悪くなさそうだ。これが普及するかどうか、どうも普及しそうな感じがする。 「つましい」というのが美徳かどうかよく分からないが、オリジナルを買わずにレンタルCDからせっせとMD化を図るユーザーは、配信料が安ければCDを買わずに、それに飛びつきそうだ。 その背景には日本のCDが高すぎること、好きでない曲を抱き合わせで買わされるのは困る、という心理もあろうから、一概に非難することもできない。 ハイエンドのオーディオフアンが反応するとは考えにくいが、若い人を対象としてそれなりの市場が形成されるのではないか。 ● 固体録音機が発売されて新聞にも出ていたが、どういうことになるのだろうか。メカのない録音機はまさに理想のものだが、録音した内容をどこに収容するのかがよく分からない。現在のカセットテープは1本100円(90分)程度だが、カード型の半導体メモリーもそこまで安くなるのだろうか。このあたり、購入した人の動機を伺いたいところである。 |