辛口オーディオコラム

column 43  「音の極性」   5/1
 音には極性がある、ということは言うまでもなくよく知られていることで、ここ暫く投稿室で話題になっていた。
 極性が明確なのは「声」である。これは発音機構が肺からの空気の流出を声帯が断続させることで行っているためで、当然、正側、すなわち圧力が高くなる側の方が逆側よりも大きくなり、波形は上下非対称になる。同様の発音機構を持つ管楽器の場合もそうである。

 さて、それが再生した時点で逆になったりしたら聞き分けられるのか、もし分かるのであれば録音した音場のそれに合わせなければならないことになる。
 もし、CDなどの媒体が極性の管理をしていて、規格として正極性で録音してあります、ということだと話は早い。再生側のスピーカーの接続をそれに合わせておけば良いだけである。
 ところが、現在のCDはそうはなっていないらしく、ソフト側からのアナウンスは聞いたことがない。

 となると、ユーザーとしては「本当に極性を感ずるものなのか」を確かめるのが第一、もし感じ取れるということになったら、その都度スピーカーを反転させなければならないかも知れない。
 かも知れない、と書くのは「微かには感じられるが、大したことはないから放っておこう」という安直派と、「原理には忠実に」という原理主義派に分かれるからである。

 小生もかってスピーカー切換方式で反転させて実験したことがあるが、その時は反転した差は感じ取れなかった。実験に使用した曲が適切であったか、という疑問がないではないから、断言できるほどのデーターではない。
 そこで、興味のある方はスピーカー切換方式で実験してみて下さいというお願いになっている訳である。

 さて、仮に判別できるという結果になったとして、その都度「このCDはどちらが正しいか」という判定を下してからヒアリングをすることになるのであろうか。いささか煩わしい気がする。

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