辛口オーディオコラム

column 49   「オーディオからの撤退」   8/1
 先にダイヤトーンの三菱が民生用スピーカー部門から撤退して、オーディオフアンをがっかりさせた。聞くところでは不況下における合理化の一環ということであるが、残念と言う他はない。業務用のモニタースピーカーの製造は続けられるとのことであるが、DS−V9000型を頂点とした技術がこのまま消滅するとすれば日本のオーディオ界のために惜しまれてならない。

 続いて「タンゴ」のブランド名で有名なオーディオ用トランスの専門メーカー平田電機製作所から10月20日で会社を閉鎖する旨の発表があった。
 社長の平田氏は小生も存じ上げているがオーディオ用トランスについて、該博な知識と、並々ならぬノーハウを持っておられ、真空管アンプを愛用するオーディオフアンにとってはまことに頼りになる存在であった。
 同社の製造技術が何処に引き継がれるのかは定かでないが、これで消滅するとなるといかにも惜しい話である。何とか標準品だけでも製造を引き継いでくれるメーカーが現れないものか。

 更に追い打ちをかけるように秋葉原の老舗オーディオショップが店を畳むという話が流れてきた。まさに暗雲低迷である。

 言っても詮無い事ながら、良いものが良いと評価されるにはそれを支える地盤、すなわち知的な民力が必要なのである。突き詰めれば戦後の教育問題にまで至るが、今からでも遅くはあるまい。オーディオの健全な活性化を願うのみである。

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