
| column 66 「スペックと音色」 4/15 |
| 先日、面白い投稿があった。パワーアンプの仕様が記載されていて、その数値からどんな音色が期待できるだろうか、という問いかけである。興味を持って読者の反応を見ていたが、残念ながらレスポンスはなくて、投稿者も失望したことと思われる。 700W級という大出力アンプだから、堂々と力強い音がするに違いない、というあたりまでは誰でも見当が付くが、そこから先の本当の実力、すなわち、下記のような再生音の評価ポイントに照らして、となると、これは「聴いて見なければ分からない」ということになる。 小生の評価ポイントは @ 音のバランス(不自然さがないこと) A 音域の広さ(特にローエンドの広さ) B 音の分解能(透明感にもつながる) C 音の鮮度 D 迫真力 堂々とした力強さは、迫真力あたりに関係するが、他の4項目については想像もできない。 その理由は簡単で、測定している仕様書の項目というものは、身長と体重と座高を測ったようなもので、美人の程度とか頭脳の程度は分かるものではないからである。そこが現在の測定技術の限界なのである。したがって、美人度や知性度は人間が判定する以外に方法はない。 勿論、だからといってオーディオにおける測定の重要さが減るものでは全然ないが。 現在のアンプが悩んでいる階層がどのあたりかというと、抵抗やコンデンサーなどの持つ固有の音色が、自分の求めている音色に有効か有害かの判断をするときに、そこにどんな法則性があるのだろうか、という悩みである。 したがって、全く同じスペックであっても、相当の範囲で音色を変えることが可能な時代で、ということはスペックではあまり詳しい予想は不可能な時代に来ている、ということになる。 かつて、「同一性能、同一音色」を主張していたアンプ研究家がいた。しかし、現在はそのような意見は見かけない時代になってきている。 |