辛口オーディオコラム

column 69 「JBLの苦難」  6/1
  JBLがアルテック社から別れた会社であることはよく知られているが、その苦難の道程は始めて知った。
 この記事はMJ誌2001/6月号の「スピーカー技術の100年/NO.18 JBLの創立とアルテック」(佐伯多聞氏)であるが、ここしばらくはアルテック社の劇場用システム開発の話が続いていた。
 その開発に大きな貢献をしたジェームズ・B・ランシングは1946年に独立して会社を創立する。しかし、アルテック在社中にランシングが開発したモデルはアルテック社の抗議で製造できず、新製品の開発を強いられる。その一つが名作130Aである。
 こうして、幾つかの名品が誕生するが経営そのものは苦しく、ついにはランシング自身の生命保険で会社の再建を果たすべく、1949年に自殺する。

 まことに涙なくして聞けない話であるが、自分の存在を一点に賭けた彼の姿勢は、何か武士道、騎士道に通ずる潔さを思わせて心を打たれる。

 このような技術変遷史(佐伯氏の記事)は、単にオーディオフアンとして興味をそそられるだけではなく、何故その姿(スピーカーシステムのこと)が誕生したのか、その技術的根拠は何か、という点で大変参考になる。

 現在、オーディオはホームオーディオとピュアオーディオに2極化してきているが、高忠実度再生の原点が何処にあり、どんな流れが本流であるかを、今直ぐに実現できるかどうかを別にして、認識しておくべきではないか。

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