辛口オーディオコラム

column 78 「エキスポ2001見聞」  10/15
 新橋駅から「ゆりかもめ」という無人運転電車でお台場にある国際展示場「ビッグサイト西館」へ。自動運転電車とは時代である。

 混雑を避けて連休の中日を選び、快晴と涼風に恵まれて開場10時半に到着して、これは流石に悠々と見物できる。

 各社のブースは一応の体裁を整えてはいるものの、かつて晴海で感じた熱気が薄れていたのは、これもまた時代である。
 注目のSACDとDVDは、参加各社が最新モデルをグループで展示していたが、力の入れ具合は今一つ。これは見事に期待を裏切られた感じ。もっと専用の試聴室が立ち並ぶかと期待したのだが。

● 大手各社はホームシアターに照準を合わせて、大画面、DVDプレーヤー、トールボーイ型スピーカー、低音補強のサブウーハーのセットの展示を行っていて、ピュアオーディオは影が薄い。

● そんな中でデノン社(元デンオン社)は画期的プリアンプとパワーアンプを発表していた。
★ プリアンプ:PRA−S1
 別ケースの電源部は100/150/200/250/300Hzの交流を発生して、最適の条件でプリアンプを動作させることができる。
¥1,500,000/受注生産
★ パワーアンプ:POA−S1
 250WのBTLモノアンプ。79kg。¥2,000,000/受注生産
 久しぶりに力の入ったアンプ。

● アンプと言えば、各社がデジタルアンプに乗り出した。まだ本格的と言えないが、新製品が幾つか並んでいた。先陣はシャープ社だが、これから成長するものがあるとしたら、これである。

● 意外だったのは各社のブースの試聴室に相当の行列が出来ていたこと、そしてこれまでのような年輩者が少なく、行列には青年層が目立っていたことである。或いはオーディオの活性化かと期待したいが、いずれアンケート調査ではっきりしよう。

● 午後になってソニー社の試聴時間に間に合ったが、立ち見とあっては高音質の程度はよく分からなかった。

● ホームシアター用を目指す大型ディスプレーの鮮やかさが目立った。三菱のマイクロミラー方式も素晴らしかった。現在は60型程度までのようだが、ブラウン管式に全く遜色のない色調で、そのハイビジョン画像は立派。(マイクロミラー方式とはシリコンチップ上の微小ミラーの反射方向を電気的に制御し、光源からの光をレンズを通してスクリーン上に投射する方式。メインのモジュールは米国製)

 もう一方のパイオニア社の50インチのプラズマ方式も鮮やかで、通常の投射式よりは原理として合理的な感じ。今後の主流となるとこれが本命か。

● ヤマハがCD−RのHiFiタイプ「オーディオマスター」という新製品を出品していた。記録密度を下げることによってジッターをマスター原盤程度まで減少させることに成功した結果、高音質化に成功したという。勿論パソコンの標準装備がねらいであろうが、単体としても発売するらしい。価格は2〜3万円程度か。

● 各社ともサブウーハーに製品を揃えていた。おおよそは25〜30センチを使用。パイオニア社はパッシブラジエーター方式。ヤマハはA−YST方式というアンプ内蔵タイプで、18Hzを表示。
 低音の重要さが忘れられないだけでも心丈夫。
 

 一番面白かったのは「超伝導ボイスコイルのスピーカー」で、次のような構造である。(聞いた説明の概要)
◆ 全体の構造はダイナミックスピーカーである。
◆ ボイスコイルには超伝導材を1ターンで完結したリングとして巻いたものを使用する。
◆ 信号電流は、ボイスコイルの外側に近接して巻いたコイル(1次コイル)から、電磁誘導で2次コイルであるボイスコイル(超伝導リング)に供給する。
◆ 超伝導リングは「超伝導のピン止め効果」によって、支持なしで空中に留まっている。
◆ ボイスコイルの電気抵抗がゼロであるため、電気/音響変換効率が従来品に比べて5倍程度向上する。

 実験は、魔法瓶に入れた「液体窒素」をセンターポールの上から超伝導コイルに注ぎかけると、白煙と共に超伝導状態となり、音がでるようになる。ダンパーもエッジもなし(空中浮揚)という手品のようなスピーカーであった。
 実験は早大の山崎芳男教授。勿論、すぐに実用化できるというものではなく、あくまで、可能性の実験であるが、常温での超伝導材が出現すれば高能率スピーカーが出現する。

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