辛口オーディオコラム

column 97 「OTLクラブ新設」 8/1
 このホームページも8月1日で5年目を迎えることになり、それを記念して、「OTLクラブ」というコーナーを新設することにしました。

 OTLは言うまでもなく「アウトプット トランスフォーマー レス」の略で、真空管アンプとスピーカーの間でインピーダンスの整合をとる「出力トランス」を無くしたアンプである。半導体アンプは整合の必要がないほど出力インピーダンスが低いので、元々付いていないからOTLとは言わない。

 トランスという部品は大変重宝なもので、
◆回路の絶縁(直流の分離)
◆インピーダンスの整合(高い真空管アンプの出力インピーダンスを低いスピーカーのインピーダンスに整合させる)
◆波形の合成(プッシュプル回路)
◆外来雑音の低減(平衡伝送)
などに大いに便利である。

 大いに便利なのであるが、実用という条件では欠点も併せ持っている。
▼帯域の制限があり、低音、高音の伝送に限界がある。
▼オーディオ用としては重く、かつ、高価である。
▼製造技術が難しく、高品質の音質の実現は容易ではない。

 以上のような悩ましさから、随分と昔から、これを省略したOTLアンプが工夫されてきた。

 このOTLの音は、一度聴いてみると、殆どの人は大いに魅了される。
●低音域の伸びやかさ。出力トランスのような低音の曖昧さが無く、分解能がよい。。
●中音、高音の分解能、切れ味、透明感。
●全体の形容は「鮮やか」という印象で、音に化粧の気配を感じさせない。

と、音に関しては言うことないが、電力効率(消費電力対出力電力)の悪さから大型のアンプでなければ、引き合わない。少なくとも20W/8Ω程度から。100W/8Ω位になると、電力効率も良くなり、コスト的にもトランス付きより有利である。あとは自作の技術力だけである。

 ある自作アンプコンテストの会場で、アンプ自作派はどのくらいの人がOTLを体験しているかということを聞いてみたことがある。約50%の人が作ってみたという答えに驚いたことがあるが、これには願望も混じっていたかも知れない。

 ということで、OTL派大集合、気勢を上げて「300B」などぶっ飛ばせ、というのが「OTLクラブ」開設の弁。
 

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