column 114 「MJ・春のオーディオフェアに想う」 4/15
 「春にもオーディオを」という要望からスタートした春期オーディオフェアが予定通り4月5日に開催された。

 当日は低気圧の通過で、終日雨にたたられたが、主催者の心配をよそに、オープンの11時には来場者が1階のエレベーターホールに詰めかけていた。

 見所の各社の新製品解説と試聴、MJ誌のイベントルームは、どれも立ち見席まで一杯という盛況であった。オーディオファンの「雨も、ものかは」という熱心さが窺われて、こんな心強いことはなかった。主催者側の一員として、感謝に堪えない。

 オーディオの衰退が言われて久しいが、熱心なファンは依然として健在なのである。ピュアオーディオの面白さに魅せられた人間がそんなに容易に転向するものではない。
 では、何が衰退と思わせるのかという原因は、一つは趣味の多様化が分散を誘い、一つには映像の家庭進出で、オーディオを軽視するようになったことであろう。

 では、かつて、オーディオ誌購入層60万人、マニア層6万人と言われた時代を復元するにはどうすればよいか。幾つかの案があるが、最も効き目のあるのは「本物の良い音」を聴かせることである。
 オーケストラが、ジャズコンボが、歌手が、目の前で演奏していることを実感させれば、その面白さに気付かないはずがない。

 オーディオ業界はその努力を続けてきたか。いささか心許ない経過が、あるいは真の原因かも知れない。

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