意外と素粒子に関係あるメモ

last update 2008.2.9
素粒子概説/用語集

■素粒子概説

ここでは、この全宇宙を構成する、主要な7つの材料を説明する。 7つの内訳は、3つの基本素粒子と、4つの力である。


我々人間は
細胞から出来ていて、 その細胞は分子からできている。 分子は原子から出来ていた。 この原子は、原子核と、その周囲をとりまく電子から出来ている。 原子核は、実は中性子と陽子から出来ていた。 こんなふうに、この宇宙は一体「何が」基本となって作られているのか、 というように、より小さい方へ、小さい方へと、 基本的な粒子を探す努力が為され、実験により確かめられてきた。
より小さいものを確認するには、より高いエネルギーで 物質を徹底的に木っ端微塵にしないといけない。 1994年、アメリカのフェルミ国立加速器研究所で「最後のクォーク」 であるトップクォークの存在の間接的な証拠が観測された。 物質を構成する素粒子を探す探求の旅は、 これで一応終わったと考えられる。
さて、この宇宙は、「」と「」から出来ている。
以上で、この宇宙の主要な7つの素材 「アップクォーク」「ダウンクォーク」「電子」 及び 「弱い力」「強い力」「電磁気力」「万有引力」 が出揃った。
力(相互作用) 力の強さ 力の作用半径 ゲージ粒子
万有引力 10-40 重力子(グラビトン)?
電磁気力 10-2 光子(フォトン)
強い力 1 10-13cm グルーオン
弱い力 10-5 10-16 W±,Z(ウィークボソン)
※重力を媒介するグラビトンは、まだ確認されていない。
実は、我々が観測する自然な宇宙を構成する以外の素粒子も、 多数、実験で存在が確かめられたり、理論で存在が予言されていたりする。 そういったことも考慮に入れると、話しは一気に複雑になる。 「素粒子」といえば、次の3つのことを指すことがある。
  1. ゲージボソン(力を媒介する粒子)
  2. レプトン
  3. ハドロン(クォークをハドロン合成したもの)
ハドロンには、クォーク3つから作られるバリオンと、 クォークとスクォークのペアから作られる中間子(メソン)がある、 というのは上で述べた通りである。
ハドロンは、実はクォークから出来ているので、究極的な基本素粒子ではない。 クォークやレプトンは、大きさや励起状態が観測されておらず、 基本「素」粒子であると考えられている。
ここで、クォーク族とレプトン族の世代について表にまとめておく。
世代 クォーク族 レプトン族
第一世代 アップクォーク、ダウンクォーク 電子、電子ニュートリノ
第二世代 チャームクォーク、ストレンジクォーク ミューオン、ミューオンニュートリノ
第三世代 トップクォーク、ボトムクォーク タウ、タウニュートリノ
この宇宙の物質は、第一世代の粒子のみから作られている。 世代番号は保存量でもないし、世代の総数を決める確かな論理的根拠も無い。 言い換えれば、この宇宙にとっての、第二、第三世代の粒子の存在理由、 世代の意味は、不明である。

以上に、電弱統一理論のワインバーグが予言した「質量を作る粒子」である ヒッグス粒子も加えて、 全ての素粒子を、電荷とスピンの関係で整理し、図示する。
注: 1994年にFERMILABでトップクォークの存在が確認された。 (t,反tの対が作られ、それぞれがb,反bにベータ崩壊するのを観測した。) トップクォークの質量は、同じ第三世代のボトムクォークの5GeVに比較しても 格段に重い174Gevであった。)
注: これまでの実験結果から、ヒッグス粒子は114 GeV よりは重く、 但し 1000GeV (1兆電子ボルト)より低い領域に存在すると考えられている。 間接的な実験結果から、200GeV より低い事が期待され、 次世代加速器による発見が期待される。
注: 1998年6月にスーパーカミオカンデの測定結果から ニュートリノに質量があることが発見されている。

■意外と素粒子に関係ある用語集

参考資料

■未整理
2008-5-5 (月)
「質量」というのは、とても不思議な現象である。 私なりにその起源を表現してみると、こうなる。
先ず、「純粋な自己認識」と対を成す「時間+空間」という現象がある。 これは、純粋数学的・記号論理学的で無味乾燥な最も抽象度の高い定義だ。 このレベルで「変化の最小単位」=「情報伝達速度の上限」 (相対性理論において、しばしば「光速」と呼ばれる)が意味づけられる。
一方で、自意識の在り方、支えられ方には様々なバリエーションがあって良い。 例えば、私達人間の場合はDNA生物の進化形として脳を持ち 電気信号を用いて思考するので、電磁気力は勿論、 星と生命圏の形成に必要だった重力にも支えられている。 自意識がどのような味付けを持つか、ということと、 時空がどのような物理法則を持つか、ということは、 表裏一体であり、不可分である。 (独立に論じても良いが、無意味である。)
自意識の最大の特徴は「同一性と変化」という矛盾を内包することだが、 「同一性」の方は「変わらなさ」「動きづらさ」という現象を どうしても必要とする。 なお、「動きやすさ」の上限は「いわゆる光速」である。 (光速を超える運動は、A点での消滅とB点での生成のように、 別事象と捉えられ、連続した変化とは見做されない。 「持続する自意識」のペアとしての物理現象は、 全て光速度以下として捉えざるを得ない。) 点粒子として「質量」を持った存在は、 正負が打ち消し合って真空に埋め込まれた存在にぶつかりながら 大抵はジグザグに動くので、光速度以下となる。 逆に言うと、自意識にとっての物理法則の場となる真空には、 「同一性」の根源となる何物かが埋め込まれていなければならないわけだ。 (なお、質点は実際には波動として一定範囲の広がりを持ち、 それらの重ね合わせにより確率波が変形して引き合う性質を持つ。 すなわち重力に感応する。 また、「動きの原因を表すエネルギーという概念」と 「動きづらさを溜め込む質量という概念」が等価であることは 相対性理論で綺麗に定式化されている。)
とにもかくにも、「意識」にとっての「場」としての真空には、 必要条件として、存在の「同一性」=「変わらなさ」を実現する仕掛けが 埋め込まれていなければならない。 逆に言うと、真空のそのような性質が存在を支えているのである。 真空を非存在と呼ぶなら、存在と非存在は表裏一体だと言える。 存在を「色」、非存在を「空」と呼ぶなら、まさに 「色即是空、空即是色」である。 なお、「自意識」という現象を内包せず、 意識の持続を支える必要の無いような宇宙においては、 存在と非存在の関係が持続している必要は無い。 (そもそも、存在と非存在を区別する必要もなく、 物理法則が存在している必要すらない。)
私達は、明日も太陽は昇ると思っているし、 宇宙の法則は何億年も前から何兆年後までも不変だと思っている。 それが何故かと問われたら、表面的には 「今までもずっとそうだったから」 と答えられるだろう。しかし、実は、 もっと根源的・直観的・無意識的には、 「この宇宙が、この“持続する意識”なる現象を現に内包しているから」 と思っているのである。 持続する意識なる現象を育み内包するに至った宇宙は、 その意識にとっては持続する存在であるに違いない。 一方、意識を内包しない宇宙(…宇宙というよりは、 ある適当な次元の領域)は、仮に時間軸を選択できたとして、 突然混沌に陥ろうが、何も変わらなかろうが、 断続的に生成・消滅を繰り返そうが、何ら問題も不都合も無いであろう。
結局、「質量」という現象は、 私達の「意識」なる現象のうちの 「同一性」を担保する仕組みである。 全く別の法則を持つ宇宙に存在する我々とは別種の意識にとっても、 やはり「質量」に相当する現象は観測されているはずである。 私達の意識は、更に、電磁気力や核力によって味付けされているわけだ。