フランスの移民法(抜粋)

(外国人のフランスへの入国とフランスにおける滞在の条件および国家移民局の創設に関する 1945年11月2日付のオルドナンス45-2658号)

この訳文の利用から何らかの損害その他が生じても訳者は一切の責任を負いません。


第一章 外国人のフランスへの入国とフランスにおける滞在に関する一般規定

第一条

本オルドナンスで言う外国人とは、外国籍を持つか国籍を持たないか何れかにより、フランス国籍を持たない者を指す。

第五条

外国人がフランスへ入国するためには、以下の書類を備えなければならない。

一号 有効な国際協定および政省令に定める文書およびビザ

行政行為の理由付記および行政府と公衆の関係の改善に関する1979年7月11日付の法律79-587号の規定の例外として、大使館ないし領事館当局によるフランス入国ビザの拒絶決定には、以下の何れかに該当する外国人に対する場合を除き、理由を付記しない。但し、国家の安全に関する事情がある場合は、この限りではない。
二号 滞在の目的と条件に関し、また場合により生活手段と帰国保証に関し、コンセイユ・デタの議を経たデクレに定める文書。但し、国際協定がある場合はこの限りではない。

三号 職業に従事しようとする場合、それに必要な文書

上述の規定の例外として、第九条三段により未成年者に交付される在留資格ないし通行証書を保持する外国人は、その資格ないし旅行証書さえ呈示すれば入国を許可される。

その存在が公の秩序にとって脅威となる外国人、入国禁止ないし国外追放命令の対象となった外国人は、フランス領への上陸を拒絶されることがある。

入国拒絶は書面にて決定されなければならない。かかる決定は、コンセイユ・デタの議を経たデクレに定める行政当局が行い、事案ごとの事情を踏まえた特段の理由を付記し、本人に写しが渡される。

入国を拒絶された外国人は、受け入れ予定先の人物、自国の領事、ないしアドバイザーとして指名した人物に対し、自らまたは他者を介して通知する機会を与えられる。

行政府は入国拒絶決定を職権にて執行することができる。

いかなる場合も、入国拒絶から丸一日を経る前に本人の意思に反して退去処分が取られることはない。

第五条の一

第五条二および三号に定める条件は、以下の者については要求されない。
入国に先立って求められるべき委員会審議の手続は、コンセイユ・デタの議を経たデクレによって定められる。

第五条の二

第五条の後四段の規定は、1990年6月19日にシェンゲンで調印された協定の第五条によって本土への入国を拒絶された外国人で、欧州共同体加盟国の国籍を持たない者に適用される

第六条

フランス領に入国して三カ月の期限を経過した後にフランスに滞在する外国人は、本オルドナンスの定める条件により交付される滞在許可証を備えなければならない。

上述の三カ月の期限は、内務大臣の報告書に基づくデクレによって変更されることがある。

滞在許可証は暫定的に、その交付申請の受理書または更新申請の受理書をもって代替することがある。

難民資格を認定された外国人の場合を除き、滞在の一時許可の付与ないし在留資格申請受理書の交付には、フランスへの入国の条件を適法化する効果はない。

難民資格の認定申請を確定的に拒絶された外国人が在留資格の付与を願い出る場合、本オルドナンスおよび施行令の定める条件総てを満たさなければならない。

第二章 保持する在留資格による外国人の分類

第九条

フランスに滞在する十八歳以上の外国人は、一時滞在許可証または長期滞在許可証を保持しなくてはならない。

十六歳から十八歳までの外国人で有給の職業に従事する意思を表明した者は、本オルドナンス第十二条の二または第十五条に定める条件を満たす場合、一時滞在許可証または長期滞在許可証を当然に取得することができる。

第十二条の二および第十五条十二号に定める条件または第十五条の五、十ないし十一号の条件を満たす十八歳以下の未成年者、ならびに三カ月を超える滞在ビザの下に教育を受けるためにフランスに入国した未成年者は、申請により、命令で定める条件の下で交付される通行証書を取得することができる。但し、国際協定の定めがある場合はこの限りではない。

第一節 一時滞在許可証の資格を有する外国人

第十一条

一時滞在許可証の有効期間は一年を超えず、また、本オルドナンス第五条に定める文書およびビザの有効期限を超えない。

滞在許可証の有効期限が過ぎた場合、その更新ないし長期滞在許可証の交付を得ることのない限り、外国人はフランスから出国しなければならない。

第十二条

自分の資金だけで生活できることを証明し、フランスで許可制の対象となる職業に従事しないことを確約した外国人に交付される一時滞在許可証には、「無職滞在者」と記載する。

フランスで教育を受けるか学業に従事することを明らかにし、充分な生活手段を有することを示した外国人に交付される一時滞在許可証には、「学生」と記載する。

大学レベルで研究活動か講義を行うことを認められた外国人に交付される一時滞在許可証には、「学術関係者」と記載する。但し、正規に入国したことを条件とする。

知的所有権法典・法律の部第二百十二条の一に定める実演家または同法典・法律の部第百十二条の二に言う文芸ないし芸術著作物の著者で、精神的所産の創作や実演を主な活動内容とする企業やその他の法人と三カ月を超える契約を交わした者に交付される一時滞在許可証には、「芸術文化従事者」と記載する。

フランスで許可制の対象となる職業に従事することを望み、そして実際に就職したことを示した外国人に交付される一時滞在許可証には、その職業名を法令に従って記載する。

一時滞在許可証は、その存在が公の秩序にとって脅威となる外国人に対しては拒絶されることがある。

一時滞在許可証を保持する雇用者で、労働法典・法律の部第三百四十一条の六に違反した者に対しては、一時滞在許可証を取り消すことがある。

第十二条の二

その存在が公の秩序にとって脅威となる場合を除き、以下の各号に該当する者に対し「家族生活」と記載した一時滞在許可証を当然に交付する。

一号 未成年ないし十八歳の誕生日を迎えた年にあり、少なくとも一方の親が一時滞在許可証を保持する外国人、ならびに、フランスに正規に入国し、配偶者が一時許可証を保持する外国人で、家族呼び寄せ制度によりフランス滞在を許可された者。

二号 未成年ないし十八歳の誕生日を迎えた年にあり、何らかの方法によって、十一歳未満の時点からフランスに恒常的に居住していることを証明した外国人。

三号 一夫多妻の状態になく、何らかの方法によって、十年以上フランスに恒常的に居住していることを証明した外国人。学生として滞在していた期間を含める場合、この期間は十五年とする。

四号 一夫多妻の状態になく、フランス国籍者と結婚している外国人。但し、フランスに正規に入国したこと、配偶者がフランス国籍を保持していること、また外国で結婚した場合はフランスの戸籍簿にその旨が予め転記されていることを条件とする。

五号 一夫多妻の状態になく、「学術関係者」の記載のある一時滞在許可証を保持する外国籍の者と結婚している外国人。但し、フランスに正規に入国したことを条件とする。

六号 一夫多妻の状態になく、フランスに居住する未成年のフランス人たる子の父または母である外国人。但し、たとえ部分的にであれ親権を行使するか、実際に扶養していることを条件とする。父または母の資格を誕生後の認知によって得た外国人については、誕生以来あるいは少なくとも一年前より子を扶養している場合にのみ、一時滞在許可証を交付する。

七号 前各号に該当せず、家族呼び寄せの権利を与えられる他の分類にも該当しないものの、一夫多妻の状態になく、滞在を拒絶すれば拒絶理由に比してその家族生活を営む権利に対する過大な損害を与えるだけの係累をフランスに有する外国人。

八号 フランスで生まれ、何らかの方法によって、少なくとも八年以上フランスに続けて居住し、十歳の時点より少なくとも五年間フランスの教育機関で教育を受けたことを証明した外国人。但し、十六歳から二十一歳までの時点で申請を行うことを条件とする。

九号 フランスの組織から労働上の災害ないし疾病を対象とした年金給付を受け、恒常的就労不能度が二十パーセント以上に達する外国人。

十号 難民としての避難権に関する1952年7月25日付の法律52-893号により無国籍者と認定された外国人、その配偶者および未成年ないし十八歳の誕生日を迎えた年にある子。但し、無国籍者と認定された時点で既に結婚していた場合か、少なくとも一年前に結婚して実際に配偶者と共同生活を送っている場合に限る。

十一号 フランスに恒常的に居住し、必要な治療を行わなければ本人にとって極めて重大な事態となりかねない健康状態にある外国人。但し、出身国で適切な処置を実際に受けることのできない場合に限る。

本条によって交付された許可証により、職業に従事する権利が付与される。

上記四号によって交付された滞在許可証の更新には、事実として共同生活が中止されていないこ とが必要である。

十二条の四

以下の者を成員とする在留資格委員会を各県に創設する。
住民が五十万を超える県には複数の委員会を置くことができる。

県知事は、第十二条の二に定める外国人への一時滞在許可証の交付ないし更新を拒絶しようとす る場合、また第十五条に定める外国人への長期滞在許可証の交付を拒絶しようとする場合、これ を委員会に付託する。

対象となった外国人は、委員会の会合の日の少なくとも十五日前に書面により召喚される。委員 会の会合は、県知事による付託から三カ月以内に開かれなければならない。外国人はアドバイザ ーなど指名した人物を同席させ、通訳を立てることができる。

外国人は、司法扶助に関する1991年7月10日付の法律91-647号に定める条件の下で、 司法扶助の受益を申し出ることができる。この点は召喚状に記載しておく。委員会の委員長は、 司法扶助を認める仮決定を行うことができる。

一時滞在許可証を保持しないか許可証が失効した外国人は、その事案が委員会に付託された時点 で、県知事の決裁がなされるまでの滞在を暫定的に有効とする受理書の発行を受ける。

(後略)

第十三条

一時滞在許可証の付与には、対象となる外国人が三カ月以上の滞在ビザを取得していることが必要である。但し、フランスに国際協定上の義務のある場合はこの限りではない。

第二節 長期滞在許可証の資格を有する外国人

第十四条

法令に従い、少なくとも三年間フランスに継続して居住していることを証明した外国人は、「長期滞在許可証」と呼ばれる許可証を取得することができる。

長期滞在許可証の付与または拒絶の決定には、対象となる外国人の述べる職業など生活手段が考慮される。場合によっては、フランスに長期的に居住する意思の裏付けとして言及された諸々の事実も考慮される。

長期滞在許可証は、その存在が公の秩序にとって脅威となる外国人に対しては拒絶されることがある。

第十五条

その存在が公の秩序にとって脅威となる場合を除き、以下の者に対し長期滞在許可証を当然に交付する。但し、正規に滞在している場合に限る。

一号 フランス国籍者と少なくとも一年前から結婚している外国人。但し、配偶者との共同生活が中止されていないこと、配偶者がフランス国籍を保持していること、また外国で結婚した場合はフランスの戸籍簿にその旨が予め転記されていることを条件とする。

二号 フランス国籍者の二十一歳未満あるいは被扶養の子ならびに被扶養の尊属ないし配偶者。

三号 フランスに居住する未成年のフランス人たる子の父または母である外国人。但し、たとえ部分的にであれ親権を行使するか、実際に扶養していることを条件とする。

四号 フランスの組織から労働上の災害ないし疾病を対象とした年金給付を受け、恒常的就労不能度が二十パーセント以上に達する外国人、ならびに、外国人に関係した受給資格者としてフランスの組織から労働上の事故死ないし疾病を対象とした年金給付を受給する者。

五号 長期滞在許可証を保持する外国人の配偶者および未成年ないし十八歳の誕生日を迎えた年にある子で、家族呼び寄せ制度によりフランス滞在を許可された者。

六号 フランス軍の戦闘部隊に勤務した者。

七号 フランス内務部隊の兵卒として実際に戦闘に参加し、同部隊の正規軍編入委員会によって交付された動員解除証明書を保持する外国人、また、同部隊での勤務年数の長短にかかわらず、敵との戦闘によって負傷した外国人。

八号 フランスの友軍の戦闘部隊にフランスで勤務した外国人、また、以前にフランスに居住しており、友軍の兵卒として戦闘に参加した外国人。

九号 外人部隊に勤務して少なくとも三年間フランス軍に在籍し、精勤証明書を保持する外国人。

十号 フランス難民・無国籍者保護局の創設に関する1952年7月25日付の法律52-893号により難民と認定された外国人、その配偶者および未成年ないし十八歳の誕生日を迎えた年にある子。但し、難民と認定された時点で既に結婚していた場合か、少なくとも一年前に結婚して実際に配偶者と共同生活を送っている場合に限る。

十一号 三年間フランスに正規に居住していることを証明した無国籍者、その配偶者および未成年ないし十八歳の誕生日を迎えた年にある子。

十二号 十年以上にわたり正規の状態にある外国人。但し、その期間を通じて「学生」と記載された一時滞在許可証を保持していた者を除く。

十三号 第十二条の二および三によって一時滞在許可証を保持し、上の各号に定める条件を満たすか、少なくとも五年間フランスに継続して正規に居住していることを証明した外国人。

(後略)

第十六条

長期滞在許可証の有効期限は十年間であり、当然に更新される。但し、第十五条の二および第十八条の規定が該当する場合はこの限りではない。

第十七条 フランス本土に居住する外国人に交付された有効な長期滞在許可証により、現行法の枠内でフランス本土において自由に選択した職業に従事する権利が付与される。1938年11月12日付のデクレ第一条の規定の例外として、工業、商業ないし工芸を営む外国人で長期滞在許可証を保持する者は、商人身分証明書の保持を免除される。

(後略)

第三章 罰則

第十九条

一項 第五条および第六条の規定に反してフランスに侵入ないし滞在した外国人、ビザで許可された期間を超えてフランスに在留する外国人は、禁錮一年および罰金二万五千フランの刑に処す。

裁判所はまた、有罪判決とした者に対し、三年を超えない期間にわたりフランスに侵入ないし滞在することを禁ずることができる。入国禁止により、当然に退去強制処分が取られる。これは場合により禁錮期間の満了時に実施される。

第二十条の二

一項 欧州共同体加盟国の出身者でなく、旅行証書を所持せず、国籍により法律ないし国際協定で求められるビザを所持しない外国人をフランスに上陸させた航空会社や船舶会社は、罰金一万フラン以下の刑に処す。

(後略)

第二十一条

一項 フランス国内において、外国人の不正規なフランスへの入国ないしフランスにおける通行または滞在に直接あるいは間接の幇助をもって加担したか加担しようとした者は、禁錮五年および罰金二十万フランの刑に処す。

(後略)

第四章 退去強制

第二十二条

一項 以下の各号に該当する場合、県知事またパリにおいては警視総監が、理由を付記した命令によって、外国人に退去を強制する決定を下すことができる。

一号 外国人が正規にフランスへ入国したことを証明できず、有効な在留資格を有していない場合。

二号 外国人がビザで許可された期間を超えて、またビザを義務づけられない場合は入国から三カ月の期間を超えてフランスに在留し、正規に交付された新規の滞在許可証を保持しない場合。

三号 滞在許可証の交付または更新を拒絶され、あるいは滞在許可を取り消された外国人が、かかる拒絶ないし取消が告知された日から一カ月を超えて在留する場合。

四号 外国人が一時滞在許可証の更新を申請することなく、許可期間終了日から一カ月を超えて在留する場合。

五号 外国人が滞在許可証の偽造、改竄、偽名による作成、不所持により有罪確定判決を受けた場合。

六号 外国人に与えられた滞在許可申請受理書または暫定的滞在許可が取り消され、もしくはこれらの更新が拒絶された場合。

七号 外国人の滞在許可証の取消、交付または更新が拒絶された場合で、それらの取消や拒絶が公の秩序への侵害を理由とし、法令の規定に基づいて申し渡されたとき。

退去強制命令を告知された外国人は、直ちにアドバイザー、自国の領事、または指名した人物に通知する機会を与えられる。

第二十二条の二

一項 退去強制の県知事命令を受けた外国人は、告知が行政的手段によって行われた場合は四十八時間以内、郵便によって行われた場合は七日以内に、地方行政裁判所長に対して命令の取消を請求することができる。

(後略)

第五章 国外追放

第二十三条

外国人のフランスにおける存在が公の秩序にとって重大な脅威となる場合、国外追放を命ずることがある。但し、第二十五条に定める場合はこの限りではない。

国外追放命令は、何れの時点でも撤回可能である。国外追放命令の実際の執行から五年の期間を経過した後に撤回が請求された場合、第二十四条に定める委員会で、本人が代理人を立てることを認められる審議を経た後でなければ、請求を拒絶することはできない。

第二十四条

第二十三条に定める国外追放は、以下の条件を満たさなければ命じてはならない。

一号 外国人は、コンセイユ・デタの議を経たデクレに定める条件により、事前に告知を受ける。

二号 外国人は、県知事の要請によって以下の者を成員として開かれる委員会へ、答弁のために召喚される。
県庁の外国人担当局の長が報告官の役割を務め、保健・社会関連業務の担当局長またはその委任を受けた代理者が委員会に同席する。両者は委員会の審議での決議権を持たない。

委員会の会合の少なくとも十五日前に、召喚状が外国人に届けられなければならない。召喚状には、アドバイザーなど指名した人物を同席させ、通訳を立てる権利のある旨が明記される。

外国人は、司法扶助に関する1991年7月10日付の法律91-647号に定める条件の下で、司法扶助の受益を申し出ることができる。この点は召喚状に記載しておく。委員会の委員長は、司法扶助を認める仮決定を行うことができる。

委員会の討議は公開で行われる。委員長が議事進行を管理する。これに必要な委員長命令は直ちに執行されなければならない。外国人は委員会の席で、国外追放を阻止するためにあらゆる言い分を展開することができる。外国人の論述を記録した口頭調書は、委員会の理由を付記した見解とともに、決定権限を有する行政当局に送付される。委員会の見解は本人にも伝えられる。

第二十五条

以下の各号に該当する者を、第二十三条による国外追放命令の対象としてはならない。

一号 十八歳以下の未成年である外国人。

二号 何らかの方法によって、十一歳未満の時点からフランスに恒常的に居住していることを証明した外国人。

三号 何らかの方法によって、少なくとも十五年以上フランスに恒常的に居住している外国人、ならびに、少なくとも十年以上フランスに恒常的に居住し、その期間を通じて「学生」と記載された一時滞在許可証を保持していたのではない外国人。

四号 フランス国籍者と少なくとも一年前から結婚している外国人。但し、配偶者との共同生活が中止されていないこと、配偶者がフランス国籍を保持していることを条件とする。

五号 フランスに居住する未成年のフランス人たる子の父または母である外国人。但し、たとえ部分的にであれ親権を行使するか、実際に扶養していることを条件とする。

六号 フランスの組織から労働上の災害ないし疾病を対象とした年金給付を受け、恒常的就労不能度が二十パーセント以上に達する外国人。

七号 本オルドナンスに定める在留資格の何れかもしくは国際協定に基づいてフランスに恒常的に居住し、執行猶予なし禁錮一年以上の有罪確定判決を受けていない外国人。

八号 フランスに恒常的に居住し、必要な治療を行わなければ本人にとって極めて重大な事態となりかねない健康状態にある外国人。但し、出身国で適切な処置を実際に受けることのできない場合に限る。

(後略)

第五章の二 退去強制および国外追放に共通する規定

第二十六条の二

外国人の国外追放命令は、行政府の職権により執行することができる。本オルドナンス第二十二条の二に定める期限内に地方行政裁判所長またはその委任を受けた担当官への訴えがなく、同条に定める条件の下で第一審裁判所ないし控訴院への取消の申立のなかった退去強制命令についても同様である。

欧州共同体加盟国の出身者でない外国人が、1990年6月19日にシェンゲンで調印された協定の他の締約国が下した執行的決定により入国拒否を手配され、本土領内に不正規に居る場合、県知事ないしパリ警視総監が、職権により退去強制を決定することができる。

第六章 家族呼び寄せ

(略)

第七章 亡命申請者

(略)

第八章 雑則

第三十五条の二

以下の各号に該当する外国人は、必要のある場合、県知事による理由を付記した書面による決定に従い、出国に必要な期間に限り行刑当局の管轄外の施設に留置されることがある。

一号 第三十三条により欧州共同体加盟国の担当当局に引き渡されるべき外国人が、直ちにフランスを離れることができない場合。

二号 国外追放命令の対象となっている外国人が、直ちにフランスを離れることができない場合。

三号 退去強制の対象となっている外国人が、直ちにフランスを離れることができない場合。

四号 前各号の何れかの留置決定の対象となった外国人が、前回の留置期間満了から七日以内に国外退去諸措置に従わなかった場合。

(後略)

第九章 経過措置

(略)

(翻訳:斎藤かぐみ、ウェブ掲載2000年10月15日)

原文


戻る