史料リスト・鎌倉時代−文芸−

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史料名著編者成立年代/略説明刊行本史料所蔵機関
無名草紙藤原俊成女か1196(建久7)〜1202年(建仁2)頃/評論書。仏の道、物語、歌物語、歌集、歌人、男性論と言ったテーマで論じた書物で、当時の文芸関係の実状が判る史料。内容がひどく女性的な視点になっているため、藤原俊成の娘と言う説が有力だが、男という説もある。『新潮日本古典集成』
方丈記鴨長明1212年(建暦2)/随筆。長明の人生で経験した様々な出来事、自らの人生、隠棲生活などを振り返って記したものだが、独特の哲学的な思想が見られる。それを如実に示した冒頭文は有名。いわゆる方丈記は「広本系」を指すが、文体の異なる「略本系」が存在し、これが初稿か偽書かで説が分かれる。『岩波文庫』『新日本古典文学大系』
古事談源顕兼?編1212(建暦2)〜1215年(建保3)頃?/説話集。6巻8類462話。様々な史書を参考に皇族・貴族社会の逸話を中心に収録している。以降の「宇治拾遺物語」「続古事談」へとつながる『新訂増補国史大系』『改訂史籍集覧』『古典文庫』
宇治拾遺物語不詳1213〜1220年(承久2)頃/日本・中国・インドの説話集で、197話を集録。登場人物の階級も、物語の地方も、ストーリーも多岐に渡っている。いわゆる雑纂形式で、具体的な章立て部立てになっていない。題名は宇治大納言源隆国が編集したという言い伝えから来たものか。『新訂増補国史大系』『日本古典文学大系』『日本古典文学全集』
保元物語作者不詳鎌倉時代初期/保元の乱について原因から戦後処分までの出来事を記した書物。合戦としての保元の乱は実質一日で終わっているため、それ以外の部分が多い。3巻。『岩波文庫』『日本古典文学大系』『日本古典全集』『有朋堂文庫』『未刊国文資料』『国書刊行会叢書』内閣文庫、宮内庁書陵部、静嘉堂文庫、学習院大学、天理図書館、彰考館など
平治物語作者不詳鎌倉時代初期/平治の乱を記した書物。保元物語とまとめて取り上げられることが多い。3巻。諸本多数。「平治物語絵詞」との関係は不明『岩波文庫』『有朋堂文庫』『日本古典文学大系』『日本古典全集』『未刊国文資料』『国書刊行会叢書』内閣文庫、宮内庁書陵部、東京国立博物館、静嘉堂文庫、学習院大学、天理図書館など
平家物語信濃前司行長?鎌倉時代前期頃か?/平家一門の繁栄と没落を描いた書物。行長作者説は、「徒然草」による。当初は「治承物語」と呼ばれ、「保元・平治物語」にならったものという。また元は6巻本(あるいは8巻本)といわれ、後に付け加えられるなどして現在は12もしくは13巻本となっている。平家物語はその成立過程も含め、様々な謎が多い。『平家物語』『岩波文庫』『改造文庫』『国民文庫』『有朋堂文庫』『校註国文叢書』『校註日本文学大系』『日本古典全集』国立国会図書館、内閣文庫、宮内庁書陵部、静嘉堂文庫、東洋文庫
今物語藤原信実編1239年(延応元)以降?/説話集。歌に関するものを中心に53話を集録。編集時期に近い話題が多く、題名は最近の物語を集めたと言う意味か。内容は雑纂形式で具体的な部類はなく、話の種類は多岐に渡る。『群書類従』雑部、『改訂史籍集覧』
源平盛衰記作者不詳1250年?/源平の合戦について詳しく記した書。内容が類似している「平家物語」との関係や成立年代には諸説があるが、内容から源平争乱よりかなり後に書かれたことが判る。48巻。『改訂史籍集覧』『古典研究会叢書』『校註国文叢書』『岩波文庫』『有朋堂文庫』『帝国文庫』『通俗日本全史』『校註日本文学大系』『古典資料類従』国立国会図書館など
十訓抄湯浅宗業編1252年(建長4)/湯浅宗業(のち智眼)が六波羅に仕えていた頃に記したと言われる説話集。人生に必要な10の教訓を挙げて、それに基づいて良い例悪い例を挙げている。儒教的な思想が根底にあるものの、平安朝を中心に題材を求め、通俗的な内容としてわかりやすくなっている。『岩波文庫』『新訂増補国史大系』
古今著聞集橘成季編1254年(建長6)/説話集。貴族の説話697話を集録。特に各種芸事に関するものが中心になっている。序文で実録(正史)を補う事が目的であると述べている。全30編20巻。『日本古典文学大系』『角川文庫』
私聚百因縁集愚勧住信編1257年(正嘉元)/インド・中国・日本の147話を集録した仏教説話集。因縁を知ることの重要性を説くことが目的となっている。『大日本仏教全書』『古典文庫』
沙石集無住編1283年(弘安6)/仏教説話集。世俗的な事柄から仏教の教義を説くという目的で記されている。題名はその意味合いから「沙」から「金」を、「石」から「玉」を生むと言うこと。内容は日本・中国・インドから題材を求め、仏の霊験を紹介している。『岩波文庫』『日本古典文学大系』
とはずかたり後深草院二条1306年以降か/二条は後深草院の愛人で転変の人生を歩んだ女性。中院雅忠の娘。晩年に記した回顧録で、全5巻。宮廷生活や権力抗争が描かれている。『新潮日本古典集成』『講談社学術文庫』宮内庁書陵部蔵。
徒然草吉田兼好1331年(元弘元・元徳3)頃/随筆。枕草子をモデルに、見聞きしたことや、独自の思想・感想・意見、生活の知恵、有職故実と言った多方面に渡る知識を形式的にまとめず、序文にある「つれづれなるままに」書き記したもの。全2巻244段。『新日本古典文学大系』39
承久記作者不詳鎌倉時代?/承久の乱について武家方の立場から記した書物。内容には不正確な点がある。またいくつかの異本がある。「三代記」のひとつ。成立年代は現存するものでは慈光寺本がもっとも古いと言うが、具体的年代は諸説あり。『校註国文叢書』『国史叢書』『国民文庫』『日本歴史文庫』『日本古典全集』『新撰日本古典文庫』東京大学、天理図書館など

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