逓信省
 戦前の交通・通信・電気行政機関。
 1885(明治18)年、内閣制度が確立されると、工部省の電信・灯台部門と農商務省の駅逓・船舶管理部門を分離統合して設立される。
 1890年、電話事業を開始。
 1893年、官私設鉄道の管理も担当する。
 これにより陸上の通信と交通の管理を一元化した。郵便に続き、電話の普及を目指した。
 対外情勢の悪化に伴う必要性もあって、日露戦争時には、郵便と通信はほぼ整った。
 1908年、鉄道部門を内閣直属の鉄道院に分離(後の鉄道省)。
 1920年、郵便事業に貯金局を設置。また簡易保険局を置いて、簡易生命保険事業に乗り出す。
 1923年、陸軍管轄だった航空部門の内、民間部門を受け継ぎ、航空事業も担当することになった。
 1929年、民間航空の開始とともに、航空郵便事業を開始。
 戦争に突入するまで逓信省は民間事業の発展を推進した。しかし戦局が悪化すると、軍事行政の方に重点が置かれるようになる。
 1941年、船舶部門を海務院として分離独立。
 1943年、行政の軍事一元化に伴い、逓信省は廃止され、運輸通信省が設置、その外局通信院となった。
 1945年5月には、通信院は内閣の所管となる。
 終戦後、1946年に、逓信省は復活し、郵便と通信の事業管轄を再開する。
 1949年、事業の内、郵便と電信・電話を分離して、郵政省電気通信省を設置し、逓信省は廃止となった。
 1952年、電気通信省は日本電信電話公社に改組されて郵政省所管となり、郵政省に一元化されたが、1985年、電電公社は競争原理導入のために民営化され、NTTとなった。  現在、航空事業を除く放送・通信・郵便は郵政省を吸収した総務省が監督しているが、情報化社会によってさらなる監督官庁の変更が考えられている。