Femme Fatale

            Valmont以降の出演作は小さい作品やTV映画ばかりで、ビッグ・バジェットの作品が

            失敗した後遺症はこんなにも深いのかとちょっとお気の毒になってしまうほどです。

            ご存じの通り、Valmontで出会ったメグ・ティリーと熱愛関係になったコリンはメグが

            住むカナダのログハウスに転がり込み、やがて2人の愛息ウィル君が誕生します。

            (でも、とうとう結婚はしなかったの)。後にコリンはあるインタビューで、

            「この頃は家庭生活中心で、大した仕事をしていなかった。いい作品であればどんなに

            ギャラが少なくてもやり、逆に生活のためにはくだらない作品も引き受けるという

            メグの思い切りのよい仕事ぶりを模倣していた」と語っていますが、う~ん、

            ちょっと苦しい言い訳ね。

            

            さて、そんな仕事に恵まれなかった「ティリー・イヤーズ」に撮ったのがこの作品。

            ストーリーは(ネタばらしますのでご注意)、バンクーバーの自然公園で働くジョー

            (コリン)は元画家志望のイギリス人。ある日、公園に迷いこんできた美しい女性

            シンシア(リサ・ゼーン)に一目惚れ、一文無しの彼女に宿を貸したことから二人

            の生活が始まる。やがて二人は結婚。幸せの絶頂にいたジョーだが、結婚式の翌日、

            彼女は姿を消してしまう。シンシアの出身地LAで必死に捜索するジョー。やがて

            彼は、彼女がレズビアンで、生活のためにSMビデオに出ていたのを知る。自分が

            愛した女性の知られざる顔を知り愕然とするジョー。しかし、ジョーが知らない

            彼女の「顔」はそれだけではなかった。彼女はいくつもの顔を持つ多重人格者だっ

            たのだ。しかも、彼女の人格の「一人」はマフィアのコカイン取引にもかかわって

            いた。追いつめられていくジョー。やっと見つけたシンシアにも「あなたのことな

            んか知らない」と拒絶される(この時、彼女はElizabethという「別人」になってい

            る)。シンシアの多重人格には、カウンセラーである実の父親でさえ手を焼いてい

            た。それでもジョーは諦めなかった。「僕はシンシアの夫なのだから、僕が彼女の

            面倒を見るんだ!(やめとけ、ジョー!)」

            

            Femme Fatale(魔性の女)なんて思わず食指が動いてしまいそうなタイトルですが、

            ストーリーの展開がお粗末な上に悪役がみんな迫力不足で、サイコサスペンスとしての

            盛り上がりに乏しいB級作品。でも、一人の(?)女性を愛し抜くジョーの純粋で

            真摯な姿が麗しく(?)、「こんな夫が欲しい!」とコリンファンの間では密かに

            人気が高い作品です。チンピラにボコボコにされちゃったりして決して頼りにはな

            らないけれど、かえって隣のお兄ちゃんのような親しみやすさがあり、そこら辺も

            人気の秘密かな。この作品ではコリンはほとんどノーメークでとてもナチュラル(

            眉毛もナチュラル=ほとんど見えないの)。

            メグの手料理がおいしかったのか、ちょっとふっくらしてきてスリムな印象が崩れ

            てきたのもこの作品からです。ダーシーを見てファンになった人には、ルックスが

            あまりに違うので衝撃かも。

            

            私自身は、オープニングの結婚式のシーンが好きです。去年コリンは本当に結婚し

            ましたが、その時の写真がFemme Fataleのジョーそのものだったのにびっくり!

            

           スウィートなジョーのお顔を眺めたい方、SharonのsnappyのページへGo!



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