一緒に仕事をしたある演出部さんの体験。 彼はよくお酒を飲みにいく。 東京で何年振りかの大雪が降った或る日の出来事だった。 相当酔っ払い、夜中の3時頃に家路につく途中で、自動販売機のところで動けなくなってしまった。 雪が自分のからだに降り積もり、帰らなければやばい、と思いつつ、からだが言う事をきかない。 朦朧としていると、自分の前に少女が立っている。 10歳くらいの、非常にかわいらしい女の子がにっこりしている。 女の子は、何かをくれた。 ものすごく暖かいものだが、それが何かはわからなかった。 「ありがとう・・・」 彼は少女のくれた何かわからないが暖かいもののおかげで動けるようになり、歩いて帰宅した。 家につくと、さっきもらったはずの暖かい何かはもう持っていないことに気がついた。 「あれ、おかしいな、ちゃんと持っていたはずなのに」 いまだにそれが何だったのか思い出せないという。 「それにしても、何で夜中の3時頃にあんなところにあんなかわいい女の子がいたのか・・・。 顔もはっきり覚えてるよ。でも何をくれたのかはわからない。でもさ、俺は天使なんじゃないかって信じてるよ」 |