| ここからは 僕のベスト8を振り返りながら 映画についての思いを。 |
| ★天国の日々 職業柄ということでもないのでしょうが、どうしても映像については気になります。ビデオのパッケージなどを見ていても、「スタイリッシュな映像で」とか「信じられない映像美」なんて書いてあると、つい借りてしまいます。後悔することは多いですけれどね。そういう宣伝文句って、他に自慢できるものがないときに書くことが多いみたいです。 ストーリーだったら「前半は退屈だったけれど、途中から引き込まれて」なんてこともあるだろうし、主演が好みじゃなくても脇役が素晴らしかったりすることもあるでしょうが、映像に関しては始まって数分で好みかどうかがわかります。オープニングを観ているだけで、「いいぞ、これはすごく楽しめそうだ」と思うわけです。 近年、映像がすごいと言われる映画って『ザ・セル』みたいなものが多いんですよね。でもぼくは、美しい光景を手間暇かけて撮っていった映画が好みで、そういう点でいちばんのお気に入りがこれ。 監督のテレンス・マリックが持っている希代な美意識が、アルメンドロスという優秀なカメラマンに支えられて結実したものですね。素晴らしい。 若き日のリチャード・ギアの瑞々しさもなかなかです。 |
| ★アニー・ホール ウディ・アレンの映画を「わかる」と言えるほど頭が良くないし、実際に何本かはワケがわからないものもあります。それでもビデオになっていれば必ず見るし、好きな監督なんでしょうね。 そんななかでいちばん好きなものというとこれになります。ダイアン・キートンのファッションとか、哀しくなってくるストーリー展開とか、シニカルなジョークとか、どれも自分にいちばんしっくりくるので。 ダイアン・キートンがニコンでウディ・アレンを撮る場面は、カメラが登場する場面のなかでは、今までに観た映画のなかでいちばん好きです。派手ではないけれど、ゴードン・ウィリスもいい仕事しています。職人だなぁ。 |
| ★アマデウス 時代設定が古いものはあまり好きではないのだけれど、これは特別です。 どうせ映画を観るんだったら、その世界にどっぷりと浸ってしまいたいというのは僕の願いで、そういう点でも素晴らしいです。モーツァルトの曲をたっぷり使っているから、そこらのサントラと較べるわけにはいかないけれど、音楽の存在って映画では重要ですよね。 ストーリーもしっかりしていて、モーツァルトという天才を描きながらも、神にすべてを捧げたのに才能を授かれなかった者の悲劇を見事に描いていると思います。 撮影の多くはプラハで行われたそうで、僕もプラハに行ったときロケ地で記念写真を撮っちゃいました。余談ですが『ミッション・インポッシブル』もプラハのシーンが多く、こちらも記念写真を撮りました。かなりミーハーです。 |
| ★はなればなれに 「ゴダールの映画を観るには時代背景などを知らないと」と主張する人たちの意見はわからないでもないですが、そういうことを別にして観ても楽しめるものは多いと思います。なんと言ってもカッコイイし、モノクロの時代のものは特に雰囲気がいいです。 そんなゴダールの映画のなかでも、政治的な匂いのほとんどないこれを。つい最近まではビデオ化されていない幻の映画ということになっていたみたいですが、今はDVDなどもあります。すごく瑞々しい。アンナ・カレーナがストッキングを脱ぐシーンとか、ほんとうにドキッとしてしまう可愛さがあります。ジーン・セバーグもすごくいいけど、やっぱりゴダール映画のヒロインというとアンナ・カレーナだなぁ。 |
| ★ストレンジャー・ザン・パラダイス 公開当時は「斬新だ」「スタイリッシュだ」などと騒がれたそうで、「あれを観てなきゃ、ダメだよ」的にファッション雑誌などで取り上げられていたみたいですね。 でもジャームッシュって基本的には映画オタクで、ゴダールやらカサヴェテスやら、いろいろな影響をすごく感じられるので、斬新という形容は相応しくないように思います。みんなが別の方向を向いているときに、この映画を作ったという点はすごいと思うけれど。 そういうことが時間の流れとともに洗い流されたあとでも、この映画が持っている美しさはすごく好きです。写真の連続みたいな映像も素晴らしい。カメラマンが変わってもつねに映像が安定しているのは、ジャームッシュが頑固なまでに美意識を持っているからでしょう。音楽との距離も、タランティーノとは別の意味で素敵。 |
| ★わらの犬 暴力と性を描けば人の心は捉えられる、と安易に考えるわけにはいかないけれど、目を逸らすことのできない力を持っているのは事実です。その暴力というものの持っている切なさや理不尽さを、からからに乾いた表現で映画にしたのがペキンパーじゃないかと思います。ジョン・ウーは暴力を美しく描いているから、はかなさは感じても切なさや理不尽さは感じないので。 『ワイルド・バンチ』や『ガルシアの首』などに較べると、設定が現実に近い分だけ痛みが大きい気がします。何かのきっかけで豹変する民間人を演じさせたら、ダスティ・ホフマンは上手いですね。デンゼル・ワシントンにはできないだろうな、こういう役。 |
| ★アメリカン・ビューティー 同じくらいの時期に封切りされた『マグノリア』のほうが映画としてよくできていると思うのですが、僕が求めるものはこっちのほうが多く含んでいるので。登場人物がすべて傷を抱えているという点では、『マグノリア』や、その骨組みの元となっている『ショート・カッツ』に通じるものはあるように思います。 タイトルからしてもわかるように、現代アメリカのことを描いている映画だから、日本人の僕が好きだというのもおかしなもので、ブルース・スプリングスティーンの『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』を合唱するようなものなのかもしれないんですが、ここ数年で映画らしい映画を観たと思ったのはこれがいちばんでした。 ケヴィン・スペイシーは自分のキャラが濃いことを自覚していないのか、映画に出過ぎなんじゃないのかと余計な心配をしたくなるけれど、わかりやすい演技でこの映画の雰囲気にぴったり。 |
| ★バック・トゥ・ザ・フューチャー 久しぶりにビデオで観たら、やっぱり面白くてびっくりしました。コメディって繰り返して観れるものは少ないから。オープニングからして最高です。 この当時、カルヴァン・クラインなんて日本じゃそれほどメジャーじゃなくて、「あなた、カルヴァン・クラインって名前なの?」なんて言う場面で、ほとんど笑いが起こらなかったことを考えると、時代は変わったことを実感します。 シリーズものとして『ロッキー』『スターウォーズ』『ダイハード』『マッドマックス』『ダーティハリー』など人気の高い作品は多いけれど、僕にとっていちばんはこれ。青春の一本という意味でも外せないです。 |
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