変化朝顔栽培テキスト (講習会用)

種蒔の時期

朝顔は元来熱帯性の植物ですから,寒さにはあまり強くありません。

1.よく八十八夜の頃にタネを蒔くと言いますが,変化朝顔には少し早すぎます。
2.気温 20℃以上を目安にして下さい。
3.4月下旬から6月初旬の頃までと,地域差が有りますから,ご自分の地域の気温を

念頭に置いて下さい。(東京では 5月中旬前後にタネを蒔きます)
4.気温が 15℃以下になると,苗が病気になったり枯れたりします。
低温注意報が出ている時等は,家の中に収納する等の保温をして下さい。
5.多少の遅れは少し暑くなれば充分に取り戻せます。

種蒔きの為の準備

タネは,必ず芽切りという作業をして下さい。タネを確実に発芽させるために
是非必要です。芽切りの場所はどこを切っても,大差ありません。
ほんの少し白い部分が見えれば充分です(深すぎると葉又は茎等が変形したりします)
芽切りをすると水分が吸収され,発芽しやすくなります。
道具としては ニッパ、ヤスリ、小刀、爪切り等

苗床用の土と蒔き床
1.水はけの良い土で,粒子が少し荒いもの。
2.肥料分は必要有りません。

(例)1.バ−ミキュライト50%+川 砂 50%
2.バ−ミキュライト50%+赤 玉 (小粒)50%
3.タネを多数蒔く時は,蒔き床が必要です。
4.少数の場合は、直接 小鉢 に蒔く事もあります。
5.蒔き床の材質は,木箱、発砲スチロ−ル、市販のもの等
6.兄弟のタネでも 系統と個体番号をつけます。

タネ蒔きの注意
1.タネはヘソ(白い部分)を下に向けて蒔きます。(深さ1p−1.5p)

タネを蒔き終えたら,土をかけておきます。
ジョ−ロを使って、(タネの移動を防ぐ為)充分に水をかけます。
2.発芽後の注意点
通常は 5−8日で発芽します。(中には10日以上かかる事も有ります)
1.時に、殻をつけたままの状態で発芽するものも有ります。
その場合は,濡れたティッシュペ−パ−を小さく千切って殻の上に置きます。
1−2分で殻が柔らかくなりますから,ピンセット等で丁寧に取り除きます。
2.根が地上に持ち上がって来るものも有りますがすぐに正常に植え替えて下さい。

鉢用の土作り

朝顔は連作が効きません。(毎年土は,新しい物と取り替えます)
(例)
籾殻燻炭−10% 富士砂−10% ピ−トモス−20% バ−ミキュライト−20%
赤玉−20% バ−ク堆肥−20%

1.水はけの良い物で、硬く固まらない物。
2.保水性の有る物。
3.肥料分はあまり必要とはしません。(水肥だけで充分です)

小鉢に移植する

双葉が開いたら,小鉢(3号)に,早めに移植します。(子根があまりでない内に)
*獅子や、采咲きは、双葉のなるべく変化している物が,移植の対象になります。
1.移植の時期は,晴天ならば,午後3時以降が適しています。
曇天ならば,1日中大丈夫です。
*移植後は,充分に水を与えて下さい。(水肥は1週間すぎてから)
*その後の水やりは,午前中1回で充分です。(雨天の時は自然のまま)
*土は少し乾かし気味に保つと,根の張り具合が良くなります。
*水肥(ハイポネックス,花工場等の1000倍液を,週2回与えます。)

本鉢に移植する

1.小鉢に移植後25−30日位で本鉢に移植します。(本葉5−6枚)
2.移植の時間等は,小鉢の時と同様です。
*本鉢(4.5−5号)の中に土を凹型に入れておきます。
*植え替える鉢の周囲を,げんこつで軽く数回叩きます。(根が鉢から離れます)
*鉢の苗を傷つけないようにして,上面に手をかぶせ、土がこぼれないようにして
鉢をひっくり返し,手で受け止めます。
*外した苗を本鉢の中心に据え,土を足して,平らにしておきます。
(鉢の縁より1p位下)
*親木は,2−3本寄せ植えする事もあります。その場合,株毎に区分けしておき、
お互いが、絡まないように棒を立てて置いて下さい。

栽培場所について

1.なるべく太陽の当たる場所(1日中なら最高です。)
午前中だけでも良い。(少なくとも2−3時間位は必要です。)
2.鉢の置き場所は,風通しの良いところを選んぶようにして下さい。
地上に置くときは,50−60p位の棚の上に置きます。
鉢と鉢の間隔は,1鉢分位あけて下さい。
ビル等で,風の強い場所では,風避けも必要です。

肥料について

1.水肥(ハイポネックス,花工場等)=5:10:5=の1000倍液を
週2回位与えて下さい。(はじめは薄目に,次第に濃くしていきます。)
2.肥料が多すぎると,病気の原因となりがちです。

変化朝顔研究会 講習資料より抜粋
*文中の薬剤等の名前は各社の登録商標です。

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