PowerBook540c (68LC040/33MHz,40MB/500MB) MacOS8.0 PowerBook5300cs (PPC603e/100MHz,40MB/4.3GB) MacOS8.0 　PowerBookである。ノート型である。モバイルマシン……のはずである。 　どちらも新品で買ったもので、メモリやHDD、周辺機器などを併せると、トータルで１００万円近く注ぎ込んでいる計算になる。今概算してみてちょっとびびった（苦笑）。 　最初のPowerBookは540cで、95年の春に買った。今は亡きIncomにて購入、確か37万円位したと思う。当時は最速・最新鋭のPowerBookで、持っていると言うだけで結構自慢できた。メモリも最初はデフォルトの16MBだったが、１年もしないうちに8MB追加して24MB、後に24MBと入れ換えて現在に至る。HDDはSCSI 2.5inchなのでなかなか大容量の出物がない。IDE 2.5inchをSCSI 2.5inchに変換するコネクタが最近安価（9,800円とか）で出回り始めたので、交換しようかなと思っていた矢先にTFT液晶モニタがおかしくなった。画面全体が緑がかってしまう（白黒にしても同じ）が、外部モニタに出力すると正常に表示され、しかも時々思い出したように直る、と言う所を見る限り、どうやらモニタとLogic Boardをつないでいるフラットケーブルの問題の様だ。部品が手に入るうちに直したいところだ。 　部品と言えば、後に個人売買でPCMCIA Slot（Rev.C）を購入したので、カードモデムで運用出来る様になっている。これも、今入手しようとするとなかなか難しい部品の一つだ。 　このPowerBookは現在、私の手を離れ、嫁の通信専用機として活躍している。 　余りに重い（3.2kg）ので、モバイル機としての使用はとうの昔に諦めた。 　それでもなんとかモバイルしたい、と言う欲望に負けて買ったのが5300cs。本当はTFT液晶の5300cが欲しかったのだが、手が出なかった。当時の価格で27万円程、5300cは40万円を超えていたはずだ。 　この決断が、後々このマシンの運用面に暗い影を落とす事になる。 　96年の冬に購入。最初からメモリを増設して32MBにしていたが、後に40MBに変更。HDDも長い間デフォルトの750MBで使用してきたが、99年の夏に一念発起してIBM製4.3GBに変更する。2万円強でこんな大容量の2.5inch HDDが買えるなんて、IDEとは言え結構感慨深いものがある。 　巷間言われている通り、非常に貧弱なマシンである。DSTN液晶は3回、Logic Boardは2回程交換した（もちろん、最初の１年間に保証の範囲内で、だ）。しかもリワークに出したので、最初の１年間はほとんど私の手元になかった、と言う運のないマシンであった。 　あまりの貧弱さに業を煮やし、Sofmap U-Macで5,000円で買ってきたApple純正13inchモニタを繋いで、会社に置いたまま省スペースデスクトップマシンとして運用していた期間が長かった。これは、会社用にRadius Supermac C500/240を購入する98年冬まで続く。 　PPC603eが遅いのではなく、Logic Boardの設計が悪くPPCの力を活かし切れていない、と言う事は重々承知だが、正直な所68Kの540cの方がよほどきびきび動いた。しかも540cはTFT液晶である。同じ256色表示（640*480）でも鮮明さは段違いだ。そう言う理由もあって、出張でもない限り5300csを本来の目的――可搬性のあるMacintosh――として使う事は、ほとんど無かった。 　逆に言えば、思い出深いマシンでもある。 　国内は言うに及ばず、シンガポール、香港、台北、米国と、出張先には必ず携帯した。万が一の事を考えてCD-ROMドライブや予備の電池、出先でモニタにつなぐ為のInterware Vimage PC Card（PCMCIAのビデオカード）や数々のケーブル類と共に旅した記憶は忘れ難い。しかも、出張中はなぜか好調なのに、帰宅すると妙に調子が悪くなったりするから不思議だ。 　会社のデスクトップとしても、余りの鈍さにキレそうになりながら、だましだまし使い込んだ。テキスト打ちならともかく、それ以上の仕事を与えると途端に苦しくなる上、会社での主な役割であるWeb BrowsingもNetscapeの肥大化と共に苦痛になっていったが、それでもなんとか我慢しながら使っていたものだ。 　今では本来の役割に戻り、モバイルマシンが必要になる状況になると蘇り、普段は部屋の隅で余生を送っている。 　iBookは大き過ぎ、PowerBookG3は高価過ぎる。そう思ってしまう私の旅の供は、当分の間この5300csなのだろう……本当は2400あたりが欲しい、と言うのが本音だが。