コブラ対マングース
1999.08.09作成
文責:飯島麻夫

コブラの攻撃はきわめて直線的で、鎌首をもちあげた攻撃体制から毒牙をつきたてるまでの間に、攻撃対象が大きく移動してしまうと、攻撃をやめてしまう。つまり、相手がじっといないかぎり、コブラは決して噛み付くことができない。

周知のとおり、マングースといえばコブラの天敵で、コブラを日常的に餌にしているだけあって、噛み付かれるようなへまをすることは滅多にない。

マングースは素早く左右に動き回り、コブラに攻撃の焦点をしぼらせない。
しかも、所詮爬虫類のコブラは、瞬発力はあるものの全体の動きは緩慢だ。
フェイントをかけつつ、コブラが追いつけないほどのスピードでコブラの死角である鎌首の後ろに回り込んでは後頭部に噛み付く。
怒ったコブラが後ろを振り向いたときには、すでにマングースはその方角にとどまっておらず、今度は違う方向から噛み付いてやろうと狙っている。
このように、コブラが動けなくなるまでヒット・アンド・アウェイを繰り返す。

同じくインドのコブラ使いもコブラのこの性質をうまく心得ていて、笛を吹いている間中、コブラの目の前に差し出した自分の膝を左右に揺らせている。コブラは近視なので、目の前のコブラ使いの膝だけを獲物と認識するからだ。膝が動いている間はコブラは攻撃の焦点がしぼれないので、噛み付くことができない、というわけだ。
それが証拠に膝の動きをやめると、途端に噛み付いてくるのだそうだ。

というわけで、コブラはやたら攻撃的で、噛まれればまず命はないだけに、出会えば誰もがびびってしまうほど恐れられている。

しかし、

  1. 相手が動いているとかみつけない
  2. 後方が死角
  3. 近視
  4. 動きが緩慢

というコブラの弱点をよく理解、体得している者たちにとっては、さほど怖い存在ではないのである。

「敵を知り己を知らば、百戦あやうからず」とはまさにこのことだろう。
どんな恐ろしい奴にも、必ず攻略法はあるものだ。
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