寄生虫の世界
1998.07.10頃作成 → 1999.03.14修正

目黒の寄生虫博物館に行ってみた。

寄生虫の生態は様々だが、多くの寄生虫は宿主の体の中で一生のほとんどを過ごす。
彼らは宿主の体の中以外の世界を見ることはない(もともと目はないか?)。その狭い世界こそが彼らのすべてなのだ。

おなじみのギョウチュウ、カイチュウ、サナダムシなどは可愛いほうで、宿主のシステムを破壊してしまう寄生虫も決して珍しくはない。
彼らは自分たちが生きていくために必要なすべてを宿主から得るので、宿主が死ねば寄生している彼らも死んでしまうはず。これは一種の自滅行為だ。

我々人間って寄生虫に似ていないだろうか?
地球環境が我々のすべてで、地球環境の恩恵のおかげで我々は生きていられる。

地球環境破壊に対する関心がますます高まっているが、我々人間が地球環境に巣くう寄生虫の一種と考えれば、地球環境を破壊しているのもさほど不自然なことではない。
たまたま我々は地球環境を壊す方向に進化したにすぎない。XX中が牛を食い頃してしまうのと同じだ。

さて、残された道は次の三通りぐらい考えられる。

1.宿主を破壊しない方向に進化する(言い換えれば退化する)。
2.外の宿主をさがす。
3.自滅の道を最後まで突っ走る。

1.はだれが考えても無理だろう。
2.は地球以外に資源の豊富な惑星があって、しかも科学技術が十分に追いつけばの話し
やはり 3.の可能性が一番高い。

まあそれもいいんじゃなかろうか。どうせいつかは滅びるんだし...
我々はまだまだ快適に過ごせる時代に生まれてきたわけでラッキーだった、ということだ。

未来への世代への責任?
そんなこと考えたところでどうなるものでもないし、我々の世代だけで何とかなると思うなんて思い上がりだ。人間痛い目を見てからでないとわからないのだから。

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