八百長
1998.12.24作成
どんな目的や事情があるにせよ、八百長は非常に後味が悪いものだ。

会社員時代に公衆の面前で八百長をやらされたことがある。
会社の大型イベントの打ち上げの席。社員が演ずる「腕相撲の鉄人」たちに飛び入りで参加したひとが勝てれば商品が与えられるという企画。
私は生まれながらにして腕の力が強いので、大概の人には腕相撲では負けない。
当然登場は最後で割り当てられる商品も「ノートパソコン」で一番高価なものだった。
ところが私の相手はあらかじめ決められていて営業上の理由で「わざと負けてくれ」という。
いざ本番。敵は体格だけは良いが、握った瞬間に「弱い」とわかるようなやつでとても私の敵ではなかった。
やはりわざと負けることには相当抵抗感があって、長い勝負となったが最後は力を抜いて負けてあげた。

とはいうものの、見ている人は私がわざと負けてやったことなどわかるはずがない。ある女性から「なんだ、飯島さん敗けちゃったじゃない。」と言われたとき、やはり八百長など引き受けるべきではなかった、と深く後悔したものだ。

間違っても公衆の面前での勝負で、八百長などを気軽に引き受けてはいけないし、頼む方も頼んではいけない。
どうしても引き受けるときは傷ついた名誉の代償としてそれなりの報酬をもらおう。そうでなければ八百長なんて何も得るものがないのだから...

<<戻る  <<表紙