たとえば...
鳥類
大概の鳥類は一夫一婦制で、巣をつくり、夫婦協力して子育てをする。飛ぶのが得意な鳥は親の移動能力は高いものの、雛は大人になるまで飛べないので移動が難しい。そこで少なくとも比較的安全な、高いところに巣を作り、飛べるようになるまで巣の中で子供を育てる。一羽だけで巣を守るのは危険だ。雛はどこにも逃げ隠れすることができないのだから。そこで一羽が餌を探して巣を離れているときでも大きい鳥や蛇などに雛を狙われないように一羽が残って巣を守る。空中戦だと体の大きさのデメリットはさほどのものではないのでそこそこ守れるのだろう。あひるや鶏など、飛ぶのが苦手な鳥は雛の頃から歩いて移動するが、こういう鳥の雛は外敵に狙われやすいので一度に産む卵の数が圧倒的に多いようだ。
猿
猿は大量の食料を必要とするので、一匹のボスを中心としたグループをつくり、餌場を求めて移動するので巣は作らない。子供を守るのは母親だが、当然グループ内のオスも協力して子供の面倒を見るし、外敵が現れれば勇敢に戦う。ゴリラのように一頭のオスに複数のメス、という完全な一夫多妻の場合もあるし、大人数のグループでは複数のオスがいて、ある程度の乱交が許されている場合もあるらしい。
オランウータン
オランウータンは猿やチンパンジーのように群れをなさない、敬意に値する動物だ。
オスもメスも一人で生活する。発情期になると成り行きで出会ったオスとメスが交尾をして、すぐ別れてしまう。子供が生まれるとメスは一人で子供を育てる。
現代人の子育て形態はどれが一番近いかと考えてみるとなんと、猿でも、オランウータンでもなく、鳥に一番近い。
農業をはじめる前の原始人たちの生活、子育てはおそらく猿に近いものだったろうから人間だけをとっても子育てや結婚のかたちはおそらくは生活環境などによって変わってきているのだろう。
というわけで、子育ての形態は類人猿だからどう、というような遺伝子による影響は意外に少なく、環境による影響が大きいのではないか、と推理される。
人間も所詮は動物なので、結婚本来の、最大の目的は「子育て」、と考えるべきだ。だから、かつて人類が一夫多妻、多夫多妻の結婚形態から、現在主流の一夫一婦制に変遷してきたように、子育ての形態が変わってくれば、当然、結婚の形態も変わってきてよいはずだ。
とにかく、結婚おめでとう。