翼竜
1999.04.20作成
「ロストワールド」の最後に翼竜が木に止まって吠えるシーンがある。
あれは違うだろう、と言う気がする。
翼竜は二本足でたてたか?
1.防風対策
まず鳥のように羽毛に覆われているわけではないのであれほど見事に折り畳むことができないはず。したがって風の影響を受けやすい。まして高いところは風が強いのだ。
翼竜と同じような羽根を持っているのはたぶんこうもりだけど、こうもりが休むときにぶら下がるのはおそらく立っているよりもぶら下がっていたほうが、風の影響を受けにくいというのがあるだろう。
2.退化した足
博物館で翼竜の骨格を観察すると驚くほど細い。4mほどの翼長でもあしは割りばしぐらいの太さしかない。しかもがに股方向に大きく曲がっている。さらに、位置が問題だ。全体重を支えるにふさわしい位置にはえていない。鳥と違って体の端のほうに二本無造作につきだしているだけだ。体重を支えるためにはもっと頭に近い、重心に近い位置にはえていないと都合が悪い。
鳥の足は細いように見えても体重を支えなければならないのでしっかりとできている。そして猛禽類には鋭い爪が、水鳥には水掻きが、駝鳥には長い足が、というふうに目的に応じて進化している。
それらに比較して翼竜の足は退化しているとしか思えない。おそらくあの細く、曲がった足では体重を支えることはできないだろう。
ということは休むときはどうしていたんだろう?
こうもりのようにぶら下がっていたか、羽を使って地べたをいざってあるいたか、のどちらかだ。どちらにしてもあまり便利なことではない。
一昔前は翼竜はにわとり程度にしかとべなかったのだろうと言われていたが、最近の研究では相当な飛行能力を持っていたと言うのが通説。
食料が主に海の魚で、しかも休むのが不得手だったとしたら、鷹や鳶なみに上手に、しかも長い時間飛ぶことができなくては生活できない。
巨大な翼竜が空高く、ゆっくりと飛んでいる姿を想像すると、なんだか嬉しくなる。
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