しかもその忠誠心と来たら底抜けで、主人のためなら自分の命をも平気で投げ捨てる。
「なんてひどい扱いをするんだ!まるで犬並じゃないか!少しは人間らしく扱え!」
と指摘されたディディエのご主人。
「いいんだよ!犬なんだから!」
周りの人:「なんてひどい奴なんだ!」
人間の価値観で見ると、献身的な働きをしながら犬が儲けの分け前を要求するわけじゃなし、ただただご主人様に誉められて、喰い残りの骨でももらえば、喜んで満足してしまう。
犬には犬の価値観があって、「ご主人様に誉めてもらえる」という些細なことが、「自分の命をかけて仕事する」という、人間の価値観から見ると崇高な英雄行為が、彼らの中ではバランスしているのだろう。
いや、犬は馬鹿なのでそんなバランス感覚なんて最初から持ち合わせていないのだ。
そういう意味で犬ほど馬鹿で、お人好し(お犬良し?)な動物っていないと思う。
我々人間は、そういう馬鹿な犬の特性をとことん利用している、というわけだ。