アンケート調査
1999.05.17作成

日本青少年研究所による、中学生、高校生1000人づつへのアンケート調査によると

「将来より今を楽しむことが大切」:67%
「努力ばかりではつまらない人生だ」:58%

なのだそうだ。
で、今の10代は覇気がない、と嘆いている。

「最近の若い者は...」という台詞は年をとると誰もが口にするけれど...
礼儀知らず、学力が低い、言葉が悪い、自分で物事を考えない、依頼心が強い、自分勝手、頭が悪い、生意気等々の欠点ならまだよかろう。彼らは若いのだからそれらのことは、今後いくらでも是正できる。我々の世代が教育してあげればよいことだし、ついてこれないような奴はそのうちに思い知ることになる。

しかし、覇気がない、元気がない、意欲がないというのはどういうわけだろう?
若者の取り柄なんて元気だけではないか。能力がない上に覇気や意欲さえなければ、ただの役立たずってことになってしまう。

これは、もしかしたら質問の仕方が悪いのではないだろうか?

「将来より今を楽しむことが大切」「努力ばかりではつまらない人生だ」

たとえば...
勉強していい大学に進めとうるさい親、だけど本人は音楽に夢中で、しかも恋人がいて...
ラストに本人が親や先生に向かって言う台詞「将来より今を楽しむことが大切なんだ!」

質問自体が、まるで安っぽい青春ドラマの主題そのものではないか。
おそらく、アンケートを作成した人が粗悪なメディアの影響を受けてしまっている、ということかもしれない。

「将来より今を楽しむことが大切」→「今を楽しむためには自分の将来はどうなってもよい」
「努力ばかりではつまらない人生だ」→「努力せず、楽な人生を過ごしたい」

...と、意味はほとんど同じだけれど、こういうひっくり返した聞き方をしたとしたら、回答の傾向も大きく変わったのでは無かろうか?

このようにアンケート調査には技術的なところがあって、非常に難しい。質問の仕方次第で回答の傾向も大きく変わってしまう。ろくでもない調査をしておいて今の若者は無気力だ、と決めつけてしまうのは気の毒のような気がする。

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