嫉妬心
1999.05.21作成
嫉妬心の根は非常に深い。
大概の動物は雌をとりあって、雄同士でかなり激しく、醜く争う。これは雌が獲得できるか否かで自分の遺伝子を後世代に伝えられるかどうかがかかっているからで、実際、恋のライバルが現れた場合、追っ払ってしまうような気質(=嫉妬心)を持っていないと種(遺伝子)の生存競争に負けてしまうだろう。
ほ乳動物に限らず、爬虫類だって昆虫だって雌を取り合って争う。
たとえば最近ネズミも「笑う」ことが確認されたらしいけれど、「笑う」のはせいぜい哺乳類なので、「嫉妬心」はこういう人間らしい感情などよりもはるかに進化の早い段階で身につけた特性なので、根が深い、と思って間違いないだろう。こういうわけで、笑わない人はいるだろうけれど、嫉妬心をまったく感じない人を探すのは難しいのではなかろうか。
こういう発言を良く耳にする。
「なんとも思っていない人と話しただけなのになんで責められなきゃならないの?なんて嫉妬深い人なんだろう。」
もっとひどいのは...
「何にも身の覚えがないのになぜ『他の女がいる』なんて責められなきゃいけないわけ?」
こういう風に言う人は、恋人や配偶者を「嫉妬深い!」と非難する前に、嫉妬心の本来の目的をよく考えたほうが良い。
自分の彼や彼女を、他の男や女が取ろうとした場合、それを「未然に」防げなければ、嫉妬心は「遺伝子の生存=自分の子孫を後代に残す」という本来の目的を十分に達成することができない。
何らかの兆候が見えた段階=たとえば手が触れた、会話を交わした、目が合った、という段階で反応するようでないと嫉妬心はその本来の目的を十分に果たすことはできないのだ。
つまり、自分の彼女が他の男と寝てしまってから嫉妬していたのではすでに遅い、ということだ。
確かに異常に嫉妬深い人も困り者だ。
でも、嫉妬心は誰でも持っているはずだし、本来、相手がライバルとセックスしてしまってからはじめて嫉妬の嵐に見舞われる、というような悠長な性質のものじゃない。
彼を、彼女を愛しているなら、多少うるさく、過敏に嫉妬されたって、許してあげよう。
「愛は束縛」でしょ?
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