髪の毛は滅びるか
1999.06.23作成

知人と話をしていたら、今後環境的に髪の毛が必要な要因はないので、人の髪の毛はなくなるに違いないとのこと。おそらく地球環境も寒くなる方向にはないようだし、現代社会では頭部におよぶ危険も少ないので、ということだろう。

確かに、暑い地方に住んでいると毛穴が開いて暑さには強くなる。しかし、寒いところにすんでいたら頭が禿げてしまったなんて話は聞いたことがない。
ストレスが原因ではげてしまうことはあるけれど、はげるかはげないかは環境的な要因よりも遺伝的要因が多いのも我々の経験からも確かなことだろう。

では、人には普通髪の毛は生えているのに、からだにはあまり生えない。すくなくともチンパンジーやゴリラほどじゃない。なぜ全身に毛が生えなくなったのかを考えてみると、人類が将来ハゲるかハゲないかもわかるかもしれない。

人間の肌はなぜツルツルなのだろう?ツルツルの肌って生きていくうえで何かいいことがあるのだろうか?

「肌触りがいい。」

まさにそのとおり。
毛むくじゃらじゃないほうがたぶん異性にモテる。

毛むくじゃらの女とツルツルの柔らかい肌の女とでどっちが抱きたいか?
毛むくじゃらの男と寝たいか?

...という好みの問題だ。

子孫を増やす上でツルツルの肌の方が有利だったから、たまたま突然変異で生まれたツルツル人間が繁殖するようになった、ということなのだろう。

同じ理由でハゲの人が異性にまったくもてなくなったり、「ハゲは二人以上子供を作ってはならない」と言うような理不尽な法律ができれば...たぶん、ハゲは絶滅する。

どういう遺伝子が生き残っていくか、は環境的な要因がすべてではなく、極端な話、社会風土や流行にさえ左右されかねないほどのものだ。

髪の毛の必要性が薄れるから、というような単純な因果関係で人類がはげてしまう、と考えるのはたぶん間違いだろう。

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