雑文サイト
1999.07.14作成
一般にいう「随筆」とか「コラム」とかをインターネット上で掲示するサイトを「雑文サイト」と呼ぶ風潮があるらしい。

「愛に不審を感じたとき...」にしてもその範疇に入るわけだけれど、それにしても「雑文」とはなんと卑下した呼び方だろう。
「雑」という響きには「雑巾」「雑念」「雑誌」「雑種」等々決していいイメージはない。「ひとりごと」とか「日記」のほうがまだもっとマシだろう。

文章のプロフェッショナルの人たちばかりではないから、というのは確かにあるのだろう。また、基本的に「何でもあり」のインターネットだし、自分らで何と呼ぼうが勝手なのだけれど、まがりなりにも他の人に見せようと思うのであれば「雑文」などという自虐的な呼び方は慎むべきだろう。
「雑文」の呼称にふさわしいようなサイトがほとんどなのは事実だけれども。

贈り物を持っていくときに「つまらないものですが...」といいながら差し出す日本の慎み深い国民性は大切にすべきだ。しかし、こういう風習は、すでにご存じの通り、ビジネスの世界では通用しない。
文章で飯を食っている人間の端くれとして、自分のサイトを「雑文サイト」なんて呼ぶことは許されない、と思う。

私のサイトには、他の才能のない人たちにはとても書けないような、素晴らしいことが書いてあって、読めば必ず得します...ぐらいの自負を持っていなければ、この厳しい世の中とても渡っていけない。

あるいは、文章のプロフェッショナルでなくたって、読む人に何らかのインパクトを与えるぐらいの力さえない文章を人様の目にさらすのは「恥」以外の何ものでない、ということを少しは認識してもらっても罰はあたるまい。
インターネットの場合、見たくなければ見なけりゃいい...という建前があるものの、下手くそな絵は人に見せたくない、下手くそなカラオケは近所迷惑、というのと同様、下手な文章を他人に見せびらかすのは恥ずかしいことだ。

というわけで、このサイトは「雑文サイト」ではありません。
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