アルナーチャラム
1999.08.30作成
これは「ムトゥ/踊るマハラジャ」に続いて撮られたインド南部はタミル語圏の娯楽映画。
「こんなに楽しい映画は初めて!」といってもいいぐらいケタ外れに楽しい映画だ。
映画を観る人なら一度観ておいて決して損はしない、いや是非観ておくべき映画だと思う。
確かにハリウッド映画のほうがはるかに洗練されているには違いないが、ここ十年ぐらい、誰が観たってマンネリ化の傾向が強いのは否めないだろう。新鮮味がない。つまらない。
一方、日本映画は暗い(それが悪いとは決して言わないが)し、明らかにパワー不足だ。
いろんな意味でハリウッド映画や日本映画に見慣れた目で観ると、許せない部分が多い。にもかかわらずこの映画がこんなに楽しいのは、なぜなのだろう。特に豪華な衣装とたくさんの人が一斉に踊って盛り上げるミュージカルシーンは、思いっきり力が入っていて、まるで極楽でもみているような楽しさだ。
この楽しさをあえて言葉で説明すれば「カーニバリズム=お祭り騒ぎのノリ」ということになるだろう。
たとえば古き良き時代のミュージカル映画もそれなりに楽しい。しかし、あれはあくまで「ショー」であって「お祭り」じゃない。上手なのだけど、逆に統制がとれすぎていて、とても素人が「一緒に踊りたい」と思うようなダンスではないからだ。
「アルナーチャラム」や「ムトゥ」のダンスははっきり言ってバラバラだ(特に男性陣)。かえってばらけているからこそ、そして難しいダンスではないからこそ、「一緒に踊りたい」という気分にさせてくれる。
こんなに楽しい映画が創れるなんて、やはりインドってつくづく文化大国だと思う。
追記:
とにかく観なけりゃはじまらない。
私もビデオが手に入るまで、何度か観たいので興味がある人は一緒に観に行きましょう。
ハリウッド映画なんぞの数十倍も観応えがあるし、楽しめることは保証します。
ちなみにテアトル新宿は水曜日だと入場料が1000円になります。
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