優柔不断
1999.09.26作成
まがりなりにも会社の社長を名乗っている人と食事をしたときに、その人が何を注文するかについてなかなか決めきらなかったりすると、失望の念を禁じ得ない。
組織を導く立場にある人が、自分の食べるものぐらいのことで悩んでいたら、一体その組織はどうなってしまうのだろう。どんな職業に従事するにせよ、優柔不断であるということは、人間としてのあきらかな欠点だ。
じっくり作戦を練るべき場合もあるのは確かだ。そういうときはゆっくりじっくりと考えればよい。でも、日常滅多にあることじゃない。昼飯のメニューに作戦も何もあったものではない。どうでもいいことは素早く決めてしまうほうがいいのだ。
さて、決断力は一見生まれつきの資質であるように思われがちだけれど、実はそうでもない。訓練によって十分習得できる。
これは、人を観察すればわかることだ。若い人は、能力や自信に欠ける場合が多いせいもあって、一般的に決断力に欠けることが多い。どっちの彼氏を選ぶべきか、悩んで解決できる問題でも無いのにあれやこれやと考える。
ところが、時間を無駄にすることなく年齢を重ねたひとには、それなりの決断力がついてくる。何かを相談するなら、間違いなく、歳をとった人のほうが素早く、適切なアドバイスができる。人生経験は伊達ではないのだ。
自分が「決断力に欠ける」と思う人は訓練して身につけても決して遅くはない。
むしろ、「優柔不断であることが自分の大きな欠点である」と認識できないことが問題なのだ。
自分を有能な人間だと思うのなら、せわしい昼飯時に店に入ったときに、メニューを見てから10秒以内に注文を決めるよう心がけよう。少なくともメニューを見て考え込んでしまうことだけはやめよう。
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