嬌声
1999.11.30作成

いわゆる「よがり声」のことだけど、女の人はどうして普段の声とまったく質の異なる、高い声が出せるのだろう、と不思議に思ったことはないだろうか。

普通、嬌声をあげるのはメスの方だけのようだ。観察したことはないが、猫などはどうなのだろう。おそらく、うるさいのはやはりメスの方だろう。

ほ乳類ぐらいであれば大概は声ぐらい出せるので、どんな動物でも嬌声を出すのかと思っていたらそうでもないらしい。たとえば、同じ霊長類でもゴリラのように一人のオスと複数のメスで生活共同体をつくるハーレム型の霊長類のメスは嬌声(と言ってよいものかどうか、とにかく交尾の最中のうるさい声)を出さないのだそうだ。弱い草食動物も交尾の最中はおそらく警戒心も薄れるし、余り騒いでいると捕食者に狙われるので、たぶん騒がないだろう。
逆に騒ぐタイプはニホンザルやチンパンジーのような複数のオスと複数のメスでいわゆる乱交型の共同体を営む霊長類のメスはうるさく騒ぐという。

こういう観察結果から、いわゆるよがり声は、メスがより強いオスの子孫を残すための手段ではないか、と推察するヒトもいるようだ。つまりサルのような社会でメスがうるさく騒げば、グループの中でも強いオスが黙っちゃいない、ということらしい。ゴリラのようにハーレム型の動物ではオスが一人しかいないからそもそもその必要がないというわけだ。

嬌声をだす=乱交型
ヒト=嬌声を出す
よって、ヒト=もともとは乱交型

と結論してしまう人もいるだろうけど、セックスアニマルと化しているヒトの場合は役割がちょっと変わってきている。嬌声をだす女性と出さない女性のどちらがもてるか?と考えると多分、出す女性のほうがもてる。(決して実証的な見解ではないが...)
盛り上がっている最中に「ねえ。ちょっと痛い!」...などと突然低い地声を出されたりすると、男性もがっくりとやる気をくじかれてしまうのも事実で、セクシーな雰囲気の盛り上げに一役も二役も買っているのだろう。

追記:
ちなみに、アラブ社会は一夫多妻だし、チベットの高原地帯では多夫一妻もあるというから、ヒト=一夫一婦制の動物と決めつけることはできません。
全面的にではないにせよ一夫一婦制を採用している霊長類はヒト以外にいないようです。

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