大企業
2000.02.06作成
確かに大企業で長らく働いていると、「自分が企業の外で通用するのかどうか」わからなくなってしまうし、「自分が大企業に属していることによって享受するメリット」さえわからなくなってくる。
「飯島さんらしくないよ」と言われるが、私が学生に向けて「大企業に就職したほうがいいよ」と言うのは、新卒で就職する先として、大企業のほうが、中小零細企業よりも得るものがはるかに大きいからだ。
その理由は下記の通り。
1.人材
大企業にはバリエーションに富んだ、学ぶべき人材がたくさんいる。むしろ優秀な人材を抱えすぎてその潜在能力を生かしきれないことのほうが大企業の問題点としては大きい。それにひきかえ中小企業はどこも人材難だ。
2.教育システム
大企業のほうが人材を育成するシステムが整えられている。中小企業の場合、人材も教育システムもろくなものではないから、特に新人の場合はちょっとかわいそう。
3.組織
SOHOや起業も結構だが組織の何たるかがわかっていないと、なかなか大きな仕事に結びつけることは難しいだろう。
組織のなんたるかを理解するには大企業の属するのが一番だ。
中小企業の場合、人材難だけに組織力よりも、むしろ属人的な傾向が強い。
4.コネクション
大企業の人間関係は結束力が非常に強い。いわば「戦友」だ。それにひきかえ、システム関係の中小企業に特に言えることだが、人の入れ替わりが激しいのだけに、強い結束力は生まれない。
入れ替わりが激しいと、業界各所に知人が増えると言うことで都合の良い面もあるのだが。
5.信用力
例え辞めた後でも、「大企業に勤めていた」という経歴の信用力は絶大だ。
特に大企業の人の場合相手を甘く見たがる傾向があるが、「大企業勤務経験あり」という、たったそれだけのことを相手に知らせておけば、甘く見られることは少なくなる。
大企業で長らく大組織の歯車の1つとして働いていたために知っていることの範囲が狭い、ということはあるだろうけれど、そのために外で通用しないなんてことはほとんどありえない、と私は思う。
外に通用するスキルが無い?そう言う人はきっと寝てばかりいたのだろう。何らかの活動をしていたのなら、スキルが身についていないはずがないではないか?
あなたが優秀で、新しい環境に適応できるだけの柔らかい頭を保っているならば、必ずほかの企業でも通用するはず。もっと優秀なら一人でも十分やっていけるはず。
そういうわけで、リストラも大いに結構ではないか。
鼻歌を歌いながら辞表を出してがっぽり退職金をもらおう!
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