ブウの視点


ラ博特別企画「バン麺」(97.12.8〜98.2.23)の評価

もともと、本企画は、ラ博の新機軸と言うよりはリピーターに対するサービスという色が濃い企画なので、いちいち評価したり文句をつけたりするのは筋違いであろう。「いつも来てくれてありがとう、たまにはこういうのも食べてみてくださいよ、こういうものも作れるんですよ」的なスタンスなのだから、「たまには違ったものも食べてみようかな」と食べてみるのが本道なのは百も承知。しかしながら、ここはブウ*のウェブページ、評価せずにはいられない。以下、試食したものについて評価を簡単に書く。ただし、各店独自に趣向を凝らしているし、その中身も様々。普通通りの麺、スープ、チャーシューという切り口での評価は困難なので、今回は☆の数で直感的に評価する。☆は3つが最高である。

すみれ

麺はバン麺用の特製らしいが、加水率が低めで、スープの少ないバン麺では今ひとつの印象。スープは薄い塩味で味自体悪くはないのだが、一緒に入っている野菜(クレソン、長芋、トマト等)の主張が強すぎてバランスがイマイチ。存在感が薄く感じられてしまう。オムレツ的な姿はバン麺らしからぬ様相で見た目には楽しめるのだが、いざ箸をつけてみると一度食べればもう十分、次からはいつも通り味噌チャーシューといった感じである。まぁ、あれだけ完成度の高い、また歴史の長いラーメンと、数ヶ月で開発したこの商品を同列で比較すること自体ナンセンスなのかもしれないが、やはりレギュラーメニューに比べると大きく見劣りする。

評価は「☆」。

六角家

油がオリーブオイル使用で目新しいが、これがラーメンの麺に全くマッチしない。この青臭いような後味がいつまでも尾を引き、僕は全く受け付けない(好みでない)。トッピングの中心がチャーシューなのだが、このチャーシューが家系ならではのまずいものなので、味的に全くいただけないもの。からしマヨネーズ、唐辛子を入れて味を整えると大分マシになるが、とてもリピーターを獲得できるクオリティではない。そもそも、「お好みで調味料を加えて、味を完成させてください」という姿勢がやや投げやりだと思う。確かにマヨネーズをべちょべちょに加えればそれなりだが、それだったら麺を茹でてマヨネーズで和えたものと変わらないよね。

評価は「☆なし」。

新福菜館

油そばと言うよりはスープが少なめのラーメンといった感じ。ラーメンに近い分、食べやすいし美味しく感じるのはラーメンファンとしては仕方のないところか(^^;。味付けも適度だし、トッピングも多すぎず、少なすぎず、で好印象。唯一、ワカメが全体の中で浮いてしまっているので、これは抜いた方が良いと思う。ラーメンの中に入っているとガムみたいでイマイチのチャーシューもこの中だと不思議とマッチしていて好感。「特別企画」と言う視点からは工夫がないということになるのかもしれないが、はっきりお薦めである。評価は「☆☆☆」。

げんこつ屋

ラー油と白髪葱の辛味が心地好い。シンプルではあるが僕の考えている「油そば」のイメージに非常に近い。脂っこさをやわらげるためか、レタスがやや大目に入っているのだがこれはちょっと減らした方がバランスが良いと思う。多加水系の麺も油そばにマッチしているし、さすがは「料理としてのラーメンをめざす」と豪語するだけのことはあると唸らされる。全体として、やや「辛さ」に頼りすぎているきらいがあり、味的には新福のほうが正統派だが、どちらが良いかは好みの問題。ちなみに僕は新福のほうが好みだが、こちらも評価は「☆☆☆」。

一風堂

一風堂らしからぬ多加水系太麺に「なぜ?」という第一印象。隠し味(?)のオリーブオイルとめんたいの主張が強すぎるのがこれにもましてマイナスポイント。ベースのスープ自体はなかなかだと思うのだが、なにしろめんたいの生臭さが全体のクオリティを下げてしまっているのが残念。一方、九州系らしいネギやキクラゲはこの中においてもそれなりに活躍しており、楽しめないことはない。反則かと思ったが、ニンニククラッシャーで生ニンニクを加えてみたら意外といけたので(^^;、ちょっと物足りないと思った人、めんたいの自己主張を抑えたい人などは試してみると良いかも。それにしてもやはり九州らしい細麺での商品開発はやっぱり難しかったのだろうか?評価は「☆☆」。

97.12.29

青葉

まず、全体的にかなり薄味。味付けを極端に抑え、胡麻油の風味やチャーシューを始めとしたトッピングから出る味によって調味しようと試みている。まず、この胡麻油(オリーブオイルも含まれているそうだ)がかなり大量で、食感的にどうか疑問。僕にはちょっとしつこすぎる。また、やや細めの麺は少ない汁気の中で塊になってしまい、食べにくいことこのうえない。チャーシューなどのトッピングはそれなりに美味しいのだが、それでも麺を食べることの楽しさを演出するには至らない。評価は「☆」。

勝丸

油がかなり少なめでこの点で青葉とは対照的。味付けはかなり控え目で、大量にのせられている肉味噌の味が前面に押し出されている。この肉味噌から出てきているのか、かなり水分が多く、べちょべちょした感じになっており、食感はイマイチ。麺はすんなり喉を通るものでなかなか高品質だが、スープが薄味なのでもうちょっとスープに絡んで欲しい。全体として、トマトを抑えたミートソースをラーメンにかけたような印象。これはこれで一つの見識ではあるが、僕ならこれを食べるよりスパゲッティミートソースを食べた方が満足度が高いだろう。評価は「☆」。

98.1.25

こむらさき

とんこつベースのかなりとろみのあるスープで油そばという雰囲気ではない。どちらかというと天下一品のトンコツ版という趣。味はレギュラーのスープよりも美味しいくらい。麺はそこそこのコシがあるものだが、加水率云々よりも歯ごたえがイマイチ。まぁ、これもノーマルの麺とそれほど変わらないのだが。トッピングはパブリカ、アルファルファ、チャーシューといったところだが、特に工夫らしきものは感じられない。逆に麺と具の一体感が失われており、スープと麺だけの方が良いのでは?と感じてしまうぐらい。当たり障りのない出来だが、新しいチャレンジを試みないのであればもうちょっとレベルが高くてもいい気がする。評価は「☆」。

まとめ

☆☆☆・・・・・・新福菜館、げんこつ屋

☆☆ ・・・・・・一風堂

☆  ・・・・・・青葉、純連、勝丸、こむらさき

なし ・・・・・・六角家

結局、オーソドックスな形で味を追求した2店が上位に来ることになった。同じ路線の一風堂であったが自らのアイデンティティーを放棄してしまったところが残念なところ。純連のチャレンジは称賛に値するが、通常メニューのレベルが余りにも高いため、「常連さんにたまには変わったものを」といったスタンスで提供するレベルにはなり得なかった。青葉、勝丸、こむらさきといった顔ぶれはそれなりに健闘はしたものの、姿勢、味の両面で特に評価できる点はなかった。六角家はチャレンジが全く裏目に出てしまったのが残念。自ら「まずいチャーシュー」と自認しているにもかかわらず、そのチャーシューに味の重要な部分を頼ってしまったのが完全に裏目。正直、二度と食べたくないと思うような代物であった。

98.2.22

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