HiFiオーディオ教室

AUDIO LESSON 番外編 902「音質の評価基準」
比較試聴の場合

 システム、或いはコンポーネントを比較試聴するとき、その音が良いか、そうでないかを判断する基準の話です。
 これは人によって違うのは当然ですから、ここの話は加銅の基準だと理解して下さい。優先度の高い順に並べました。

1.音のバランス
 低音、中音、高音のバランスが崩れていないか、ということです。これが崩れると不自然な感じになって、違和感が出てきます。再生音にとってもっとも致命的な欠陥です。

2.音域の広さ
 低音域、高音域が、どこまで確保されているか、ということです。高音の方は現在のツイーターの性能からして問題は無くなったと言ってよいのですが、低音域を何ヘルツまで再生できるかは、依然として悩みのある所です。その理由は

@ 原音を出している振動板(大太鼓、コントラバスなど)と同じ大きさの振動板のスピーカーを使用したい。

A 大きな振動板のウーハーは大きなエンクロージャーを要求する。小さな箱では箱の内部の空気の反発力で低音は出ない。

B 大きな箱は実用面で嫌われ勝ちで、普及には限界がある。

 このような理由で、本気でハイファイ再生を指向するときでも、十分な大きさのウーハーを用意して、低音域を伸ばしている例は少ないのです。
 目標としては20ヘルツ、25ヘルツならば先ず満足、30ヘルツならば一応顔が立つ、という感じです。
 低音の悩みはもう一つあって、500ヘルツ以下で、定在波による凹凸がひどく発生していませんか、という点です。この凹凸がリスナー席で強烈に発生していると、いかにウーハーが頑張っても何にもならないのです。

3.音の分解能
 分解能というのは、光学関係で使用される言葉で、2つの点がどこまで接近しても区別できるかという能力です。オーディオの方では、合唱の再生で、その人数が判別できるような、きめ細かな再生ができるかという能力を指します。
 この分解能は音の透明感とも連結していて、分解能に優れた音は
透明でさわやかな印象になります。

4.音の鮮度
 魚や野菜の鮮度と同じ意味の言葉です。この鮮度は、録音/再生を繰り返すとどんどん低下します。また、信号がアンプを通過する度にも低下します。 
 この感じを体験したいと思ったならば、アナログ録音でマスターテープを作り、そのマスターテープからプリントして子テープを作り、次に孫テープ、さらに曾孫テープを作ります。そしてその曾孫テープをマスターテープと比較してみると鮮度の低下という意味がよく分かります。
 この鮮度をいかに保っているかという評価ポイントです。

5.迫真力
 臨場感とかプレゼンスと言うこともあります。本物の感じが出ていますかという能力です。例えば、窓の外で聴いていると、ステレオのピアノか本物のピアノか、すぐに聴き分けられることがあります。これが聴き分けられないようになると、相当に原音再生に近寄っていることになります。

6.音像の定位
 テキストを見ると、ステレオ方式の効用の第一にこの「音像の定位」が挙げられています。
 それが最後になっているのは全く小生の好みの問題で、効用のおまけみたいなものだという認識だからです。勿論、定位の良い方がそうでないより好ましいのははっきりしています。ただ、定位の問題というのは「音質」の完成度とは関係なく、ひたすら音質を追求しているピュアオーディオ派としてはあんまり重視していないというだけです。

 さて、ここまで、5項目+1の評価ポイントを説明しました。このポイントに注目してシステム、或いはコンポーネントの比較をすれば、見落としのない評価ができます。

比較しない試聴の場合

 比較しない試聴というのは、他家を訪問して、知らないレコードを聴かされた場合は、「良い再生音」の時だけ評価することが可能です。
 その理由は、良くなかった場合、その原因が再生装置の問題なのか、レコードの問題なのか分からないためです。もし、よそのリスニングルームへ試聴に出かけことになったならば、自分のテスト用レコードを持参することが大切です。
 もつとも、知らないレコードでもアコースチック楽器のものならば、数枚も聴くと見当はつきますが。
                       

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