33号 おわりの挨拶


The A'-Team



 お楽しみいただけましたでしょうか。
 それではまた、夏にお会いしましょう。



【おしまい】








次回予告

 厳冬のニューヨーク。うっかりとインフルエンザウイルスを拾ってしまったフェイスマンは、高熱で3日間寝込んでいた。その間に2回、マンションの19階から飛び下りようとした。したがって、ロープでベッドに縛りつけられたフェイスマンは、そのまま放置されていた。
 熱にうなされた彼の脳裏に走馬灯の如く過ったのは、マイアミの夏。マイアミビーチでスイカソーダを啜るマードック。揺れていたハンニバルの腹。砂浜のゴミを拾い歩くコング。「何か忘れてるような気がするぜ。」拾ったゴミを背負った籠に投げ入れながら、コングは首を傾げた。それにしてもこの砂浜には燃えないゴミが多い。「俺だよ、俺のこと忘れてるって。それに、燃えないゴミは燃えるゴミとちゃんと分別しなきゃ。」と、フェイスマンは走馬灯の中身に突っ込みを入れた。「大佐ぁ、これ飲んじゃったら、カキ氷も食べていいー?」早くも空になりかけた缶を掲げるマードック。「いいわけないだろ、子供じゃないんだから、ちょっとは節約の意識を持ってほしいなあ。」自分の幻覚の中に諭すフェイスマン。しかし、脳裏に浮かぶハンニバルは鷹揚に頷き、「ついでにビールも買ってきてくれ。」と、ある物を掲げて見せた。日差しに輝くそれは、黄金の豚の貯金箱。フェイスマンのへそくりであった。
 こうしてファンタジーの世界に没頭しているフェイスマンだったが、まさにその時、マンションの前では丸腰で子供と遊んでいたコングがMPに包囲されている真っ最中。1/4マイル先の四つ角では、トーストを銜えて「遅刻遅刻!」と走るハンニバルと、トランシーバーを耳に当てて部下とやり取りをしているデッカーとが、今にも衝突するのではという瞬間でもあった。そしてまた、例の病院では、両手にロウで固めた鳥の羽根をつけたマードックが屋上から太陽に向かって飛び立とうとしていた。
 どうする、コング! ハンニバルは今そこにある危機に気づくのか? マードックの飛行作戦の行方は? そしてフェイスマンのへそくりの運命やいかに!?
 次回、特攻野郎Aチーム「マイアミビーチは別として危険が一杯! 曲がり角には恋の予感?」の巻。乞うご期待!




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