「フェイスマンです。タジン鍋は深い方がいいということを思い知りました。柄が気に入って買ったタジン鍋が思いの外、浅くて、大惨事でした。それは話せば長い――」
「とっとと終わらせやがれ、このスットコドッコイ！　後がつかえてんでい。」
「ひどい言われようだけど、元はと言えばアレだよ？　俺はみんなの健康を考えて買ったのよ、タジン鍋。みんながあんまり野菜食べないもんだから、蒸して嵩を減らせばいいかと思ってさ。それに油を使わない蒸し料理ならハンニバルのお腹も……。」
「余計なお世話ですよ。朝晩のジョギングで、最近心なしかスラックスが緩いくらいだ。」
「おう。それに野菜蒸したって牛乳もプロテインも出ねえんだろ？」
「そ、そりゃあ野菜から牛乳が出たら、それ、野菜じゃなくて乳牛だし……。」
「オイラ、むしろ乳牛より肉牛入れてほしいな。あとはムール貝とかロブスターとか。フォアグラとキャビアとトリュフもついでに。」
「どれもこれも“ついで”って値段じゃないだろ！　そう！　この年末、例年通り懐が心許ないんだからね！」
「俺ァ牛乳がありゃいい。」
「あたしゃビールがあれば。」
「オイラはやっぱりフォアグラとキャビアとトリュフ。」
「というわけで来週のＡチームは、『フェイス、３大珍味を無料で手に入れる』『フェイス、牛乳とビールも無料で手に入れる』『フェイス、タジン鍋を高額で売りつける』の３本です。それでは来週もお楽しみに。 ふんがふっふ。」（マードックに蒸し野菜を突っ込まれる。）