39号 おわりの挨拶


The A'-Team



 お楽しみいただけましたでしょうか。
 それではまた、夏にお会いしましょう。



【おしまい】








次回予告

「フェイスです。ガラステーブルの脚が1本取れました。コーング! 早く来てー! と、さっきから呼んではいるものの、返事がありません。おーい! コーング! で、このテーブルですが、そもそもモンキーが適当に拾ってきたガラス板に、バズーカ砲の砲身と山歩き用ステッキと流木と古雑誌を積み上げたやつで適当に作ったテーブルなんで、強度なんてあるわけない。全くない。でもそこにね、今『揺らすの厳禁』って書いてあるビンが乗ってんだよね、ハハッ。(と言いつつ、ガラス板の片方の端を必死に押さえている。)あ、散歩に行ってたモンキーが帰ってきました。って、お前、何拾ってきたんだ?」
「はー、重かった。見て見て、この石。漬物石にぴったりばっちり! ん、何これ? ニトロ?」
「うん、多分ニトロ。……て言うか、下ろせ。とにかくその石、下ろせ! コーング! 早くー!」
「下ろせってココに? このニトロの横でいいの? それじゃ失礼して、よいしょっと。」
「違う違う、石はそこに置いて、空いた手でここ持て、ここ! コーング! おーいコーング! 早く来いってばー! いやだから違ーう! テーブルの上じゃなくて下!」
「下? ああ、こっちか。(と、テーブルの下に石を置こうとした瞬間、テーブルの脚代わりの流木を蹴飛ばす。グラリと傾くテーブル。傾いたガラス板の上をつつーっと滑るニトロのビン。石を下ろすに下ろせないマードック。)」
「(素早く駆け寄るハンニバル、さっとニトロのビンに手を伸ばし、そっと持ち上げる。)何やってんだ、お前たち。このビンを退かせば済むことだろう。」
「(ドスドスとやって来たコング。)悪ィ悪ィ、今ちっと便所に篭もっててな。どうやら今朝飲んだ牛乳が古かったようだぜ。(テーブルの側までやって来る。その足元には、先ほどマードックが蹴飛ばした流木が無造作に転がっている。)おうっ!(流木に足を取られた上、マードックがやっとのことで下ろした漬物石に躓き、テーブルのもう1本の脚、即ちバズーカの砲身を蹴倒して転ぶ。)」
「うおぅっ!(蹴り飛ばされた砲身がハンニバルの脛を直撃。弁慶の泣き所を強打したハンニバルの手から、ニトロのビンが、つるぬるっと滑り落ちる。なぜならハンニバルはつい先刻まで、KFCのチキンを手掴みでむしゃむしゃと食べていたからである。)」


 スローモーションで落下していくニトロのビン。危うしAテーム!


 どっかーん!


 響き渡る爆発音、砕け散るテーブル、巻き上がる炎と煙。そして、ひゅんひゅんと回転しながら飛んでいった漬物石の落下した先には、瓦礫の上に転がるオシャレな革靴。
 その瓦礫を掻き分けて這い出してきたツワモノの姿あり。しかし、爆発後ゆえ、髪はアフロ。
「ゲホガホ、フェイスです。といったわけで次回、特攻野郎Aチームは(と懐からメモを出す)『リフォームはたいへんの巻』、『コング、正露丸のニオイにタジタジ』、『モンキー、沢庵を漬けて大顰蹙』の3本です。ふんがっふっ……ふ?」
 このタイミングで口に何かを詰められると思っていたフェイスマン、キョロキョロと周りを見回して、他に誰もいないとわかると、眉を八の字にして手当たり次第に瓦礫を掻き分け始めた。姿の見えない3人の名を呼びつつ。



 さて、ここで問題です。果たして他の3名は無事でしょうか?


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