43号 おわりの挨拶


The A'-Team



 お楽しみいただけましたでしょうか。
 それではまた、夏にお会いしましょう。



【おしまい】









次回予告

「フェイスです。この度、ボビーと冒険に出ることになりました。本当は別の相手がよかったけど、命令だから。え? 誰の命令かって? もちろん、うちのリーダーです。何でも、ボビーと冒険に出ることで、俺に独立心と度量の大きさを養ってほしいんだそうです。それでは、行ってきます。夕飯までには帰ってきたいです。」
「おい待て、昼メシはどうすんだ? さっき台所見たが、何も準備されてなかったぜ。」
「え、そこなの? もしかして夕飯については何か言われるかもって薄々思ってたけど、その前に昼飯なの?」
「昼前に出てくんだから、昼飯だろうが。」
「その前に、俺っち、朝ゴハンもまだなんだけど。」
「そりゃ、いつまでも起き出してこないからだろ。ちゃんと朝起こしに行ったのにさ。まったく、俺より前にこいつらに独立心を養ってほしいって思っちゃうのは、やっぱり俺の度量が狭いせいですか?」
 と、そこに、命令を下した張本人、ハンニバル登場。
「あ、ハンニバル起きたの? 朝ゴハン作るからちょっと待ってて。」
「ちょっと待ったぁ! こっち(と自分を指差し)には朝ゴハン抜きで、遅く起きたあっち(とハンニバルを示す)にはゴハン出てくるって差別! さ・べ・つ! ボビー、お前からも何か言ってくれよ。」
「仕方ないだろ? ハンニバル、今起きたんだから。そっちチームは、さっきから起きてたじゃん。」
「オイラ、起きてから3分しか経ってねえって。今、4分になったけど。だからゴハン! なあボビー。」
「あのよ、ちっと言わせてもらってもいいか? フェイス、てめえは、これからハンニバルとモンキーの朝飯と、俺とハンニバルとモンキーの昼飯と、念のため夕飯まで作って出かけたらいいんじゃねえか?」
「(フルフルしながら)……お前たちの考えはよーくわかった。……そうする。うん、朝食と昼食と夕食ね、うんうん、作ってくから、ちょっと待ってて。」
 無表情に台所へと消えていくフェイスマン。
「……で、あいつはいつになったら冒険に出るんだ?(台所へ向かって)フェイスや、コーヒーを早いとこ頼みますよ。(コングとマードックに向かって)ボビーはどうしてる?」
「んーと、フェイスを待ってるよ。あれ? フェイスの昼ゴハンを待ってんのかな。え? 冒険なんて行きたくないって?」
 と、そこにフェスマン登場。手には45リットルサイズの大きなバケツを抱えている。
「はい!」
 ドン! とテーブルにバケツを置く。
「これ、朝・昼・夜ゴハン! 昨日の晩に作ってみたけど、君たちが不味いって言って1口しか食べなかったクスクスのピーマンソースがけ! まだこんなに余ってるから、俺がいない間は、これ食べて飢えを凌いでて! だって、俺、ボビーと冒険行かなきゃいけないんでしょ! ゴハン作ってる時間ないし! 作っちゃったクスクスは、誰かが食べなきゃなくならないし! それと、はい、ハンニバル、コーヒー。インスタントだけど文句ないよね。……さ、じゃボビー、冒険行こうか。」
 ボビーの腕を取って去るフェイスマン。
「……行っちゃった。ボビーの奴、冒険なんて行きたくないって言ってたのに。」
「あいつ、冒険の装備、持ってってたか? お玉と杓文字持ってんのは見たが。」
「ボビーだって、光の鎧と光の杖しか装備してないぜ。大丈夫なんかね、この寒い中。」
「それだけ持ってけば十分だろう。ところで、朝飯と昼飯と夕飯の件だが。」
 と財布を取り出すハンニバル。
「外に食べに行くぞ。」
「お玉と杓文字じゃスライムだって倒せねえぜ。」
「大佐、それ、フェイスの財布? 財布なしじゃ宿屋に泊まれねえんじゃん?」
 口々にフェイスマンとボビーの身を案じるコングとマードックをよそに、とっとと身支度を整えるハンニバルであった。
 フェイスマンとボビーの運命やいかに?!





 次回、特攻野郎Aチーム、「ジョブチェンジ! 光の戦士、発動!」、「勇者フェイスマン、アバラを折る」、「ボビー、王に謁見する」の3本です。お楽しみに! ふんがっふっふ。

上へ
The A'-Team, all rights reserved