45号 おわりの挨拶


The A'-Team



 お楽しみいただけましたでしょうか。
 それではまた、夏にお会いしましょう。



【おしまい】









次回予告

「フェイスです。今、カオス会議が終わったところです。」
「バラカスだ。今回の介護……じゃねえ会議は、入り組んだ3つの問題に解決策1つで対応しようってえ無理難題だったが、無事解決したぜ。」
「ハンニバルだ。いやいや無理難題ってほどじゃありませんよ。」
「お待ちどー、奇人変人のマードックでっす。さっすが大佐、あんな手、おいらにゃ思いつかなかったぜ。」
「むふふふ、作戦は奇を以てよしとする、だ。ギックリ腰が悪化して立つこともままならぬ今日のあたしだが、頭は冴えまくってるんだ。」
「うん、腰が痛いとか背中が痒いとか言って、なかなか会議に来てくれなかったけどね……。最初から来てくれたらもっと早く終わったのにさ。」
「だから俺たちがハンニバルのベッドんとこで会議すりゃよかったんだ。それをてめえが“会議は机のないとこじゃできない”なんて抜かしやがるからいけねえんだ。」
「重要な介護……じゃない会議は円卓と相場が決まってるでしょ。今回、議題がアレだけに。」
「フェイスは形から入るタイプだからねえ。おいらは円卓じゃなくてもいいと思うけど、でもテーブルは要るよね。」
「てめえは画板か何かを首からかけてりゃいいんだ。どうせ下らねえお絵描きするぐらいだろ。フェイス、てめえだってテーブルで何したかって、コーヒー置いてただけだろうが。」
 4人が言い争うところに、“ドカーン”とドアを蹴り開け、颯爽とエンジェル登場。
「お待たせ! ご要望のもの、買ってきたわよ!」
 どん、とテーブルの上に置かれた袋に、4人は顔を輝かせた。
「随分早かったな、エンジェル。」
「これ、なかなか売ってなくて探すの大変だったんだけど、あたしの情報網とコネと伝手で何とか入手してあげたわ。感謝しなさい。」
 と、エンジェルが、担いできたでかいゴミ袋の中身を円卓の上にぶちまけた。
「こりゃあ……何だ?」
「何なのこれ?」
「……オモチャ?」
 身を乗り出す3人に、なぜか得意気に胸を張るハンニバル。
「これが、腰に効くって噂の中山式快癒器だ。ここアメリカじゃそうそう手に入らん代物だぞ。よくやった、エンジェル。」
 ハンニバルに褒められ、鬱陶しいほどに得意そうなエンジェル。
「ナカヤマ式……?」
「カイユキ……?」
「って何?」
 3名は、積み上げられた中山式快癒器を手に取り、珍しげに眺める。
「口で説明するより使って見せた方が早い。」
 すっくと立ち上がるハンニバル。その雄姿はどう見ても腰痛を患う者のそれではなかった。
 円卓の上に箱から出した中山式快癒器を並べ、颯爽とした動きで快癒器の上に寝そべるハンニバル。
「ああああ、テーブル壊れる!」
 叫ぶフェイスマン。
 首、肩、両腕、背中、腰、臀部、両腿裏……に計8個の快癒器をあてがい、ブルブルと震えるハンニバル、その顔には、愉悦の笑みが浮かんでいる。そして、ガタガタと揺れる円卓。
「あら、本当に効きそうね。さすが日本製。」
 呑気に笑うエンジェル。
「ねえ、これ、床でやっちゃダメなの!?」
 ミシミシ言い出した円卓を両手で支えるフェイスマン。快癒器の箱を手に、じりじりと後退するマードック。
「なるほどな、自分の体重でツボを押すわけか。こりゃハンニバルに持ってこいってわけだ。」
 箱に書かれた説明書きを読んで頷くコング。
「そうさ……これ、で……問題が3つ……一気に、解決、だ……。」
 ブルブル揺れながら、崩壊寸前の円卓の上でハンニバルがそう宣言した。
「腰痛、肩凝り、おまけに背中の凝りまで!?」
 箱に書かれた細かい文字を凝視しつつ、指折り数えるマードック。
「血行をよくするわけか、この上で横になるだけで。うん、いいね、これ。電気代もかからないし。」
 テーブルを支えながらも、目の前の箱を読むフェイスマン。
「ふむ、いい感じにほぐれてきた……が、背中のやつの位置が悪いな……。フェイス、ちょっと直してくれんか。」
「オーケー。」
 ハンニバルの要請に、フェイスマンはテーブルから手を離し、御大の腰の下にある中山式快癒器に手を伸ばした。と、その瞬間……。
「その時おいらはハッキリ聞いたね、バキッっていう音をさ。」
 と後にマードックは語った。
「ってわけで、次回は『突き指に泣くフェイスマン』、『エンジェル、足のギプスで仕事半減』、『ハンニバル、腰のギプスでウエストほっそり』の3本だ。みんなも中山式快癒器、使ってみてえか?」
「ふんがふっふ。」
 首から上にギプスを嵌めたマードックが、カメラの前をふらふらと横切っていく。



※注記1※ The A'-Teamは中山式産業株式会社とは何の関係もありません。
※注記2※ 中山式快癒器をテーブルの上でアプライしないで下さい。

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