スイム・ライフ
★ 26. 忘れられない2話 98'9'5

●数億円!!

○:仕事上、金融機関がお得意さんなのですが、28年前に、22歳で独立してお店を出して以来、某○○という金融機関から注文を頂くようになりました。担当のFさん(女性)がいつも、店に来てくれたり、こちらから行ったりしていました。
お客さんも紹介していただき、Fさんは親切で、ずいぶんと助けられました。私のとこへの注文はFさんがいないとわからないくらいでした。
10年位前、店に来て私がいないと、又、出直して来てくれ、水泳でいないのを知っているので、「泳げて幸せよ!」と良く言われました。
それから数年後、警察署(ここも取引先でいつも行っていました)の馴染みの刑事さんが来てFさんのことを聞かれました。その事件の内容も聞き知りました。
そして私のとこで作ったものを全部提出しました。ほとんどが保存してあったので、結果的にそれが証拠の一部になりました。「○日に新聞には発表すると言っていました」。その後、その金融機関は合併(事実上は倒産です)しましたが、新聞には大きく報道され、戦後個人では最高の横領金額だそうです。
一人の女性が金融機関を潰したのです。しかし私は今でも、あのFさんがと思うと信じられません。

○:やはり近くの金融機関△△で、ここもお得意さんで、お店を出してから、今でも取引があり、大事な一番のお得意さんです。
私のとこに来ていた担当のHさん(男性当時30歳)は足掛け10年くらいになりました。
途中、他の支店に行った時もありましたが、家に来ると、良く子供の話や家族の事を話していました。
田舎に病気の両親がいて治療費を自分で負担して毎週、週末には病院に連れて行く事、経済的な事、話を聞き、大変だなぁとは感じていました。「水泳に行けてうらやましいですよ」と何時も言っていました。
他の支店に転勤になった後も、月に1〜2度は顔を出し、1〜2時間転勤先での話をして行きました。
ある日何時ものように店に来て両親の病気の事、その為の経済的な負担の事等、辛そうに話して行きました。
そして一週間後にテレビのニュースを見ていたら「○億円横領で逮捕」とHさんが写っていました。本当にびっくりしました。
あれから2年がたち、いつの日か刑務所から出た後には今度は金融機関との民事での裁判があるそうです。(当然事件発覚後離婚しています)。
○億円の内半分は使わずにあったそうです。真面目だったHさんからは想像もつきません。逮捕の一週間前に私のとこへ来たのはどんな心境だったのか、早く社会復帰を望みます。

*この2つの事件はうらむ事の出来ない事件です。信頼していた人に裏切られたという気持はありません。罪を憎み、人を憎まず、私にはまさにそのもので、忘れる事の出来ない事件です。夏が終わりに近づく度に思い出します。


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